警察犬の試験に6年連続で落ち続けるも“顔面着地”などのかわいいドジっぷりで人気を集めて映画にもなった“見習い警察犬”の「きな子」(メス8歳)が、3日に香川県丸亀市で開かれた競技会で、トップの成績を収め優勝した。これで来年度に、県警の嘱託警察犬として採用される可能性が大きくなった。採否発表は12月中旬。ずっこけ犬は、夢実現へ大きく近づいた。
きな子が悲願の初優勝を果たしたのは、警察犬競技大会の「臭気選別部門」。10メートル離れた台に置かれた布の中から、特定のにおいが付いたものを選び持ってくる方式の競技を、4回繰り返す。
正解率などは非公表だが、参加した38頭中、飛び抜けて成績がよかったとみられる。過去6回の挑戦では入賞もなく、昨年も全問不正解。だが、今回は「自信を持った足取りで、いい動きだった」と県警鑑識課の松下加一次長が評価するように、落ち着いて臨めた。警察犬の民間嘱託は同課の審査で正式決定するが、県警側は「採用する可能性が大きい」としている。採否は12月中旬に決定。採用の場合、来年4月から警察犬として稼働する。
きな子は、香川・丸亀警察犬訓練所所属で、2002年5月生まれのラブラドルレトリバー。警察犬試験で跳び越えに失敗し、顔から着地する様子など“ドジっ子ぶり”が紹介され、人気に。警察のキャンペーンなどに引っ張りだこだった。見習訓練士だった川西智紗さん(26)とのペアで6年間、あきらめずに挑戦し続けた姿は、今年夏に「きな子~見習い警察犬の物語~」として映画にもなった。
川西さんが今年5月に訓練士として独立した後、亀山伸二所長(54)とペアを組み、今回の競技会にも出場した。所長は「やっと優勝できて、ホッとした。結果的に入賞できなかった競技会も含め、今までの蓄積の成果だと思う」とうれしそう。競技には、においが付いた正解の布がないパターンもあるが、所長は今回の競技会を前に「自信を持って正しいと思うにおいがなかったら、何も選ばずに戻ってこい」と訓練したという。迷いを振り切ったことが、好成績につながったようだ。
この競技会では、川西さんとのペアで出場した「ケイ」が2位に。所長は「順位決定戦になったら負けてたかも」と笑うが、きな子は、長年のパートナーだった川西さんにも、優勝で“恩返し”したことになる。4日は、訓練免除で、散歩などのんびり過ごした、きな子。所長は「人間でいえば50歳近いけど、まだ何年も警察犬として働ける」と生まれ変わったドジ犬の今後に期待している。
◆映画「きな子~見習い警察犬の物語~」で、きな子とペアを組む女性見習訓練士役を演じた女優の夏帆「本当におめでとうございます。これでもう、ずっこけとは言わせませんね! これからのきな子の活躍を楽しみにしています」
◆同映画の小林義則監督「優勝おめでとう。失敗しても、あきらめず挑戦し続ける姿に勇気をもらいましたが、その先についに夢をつかんだきな子に感動しています。みんなに幸せを運ぶ犬として走り続けてください」
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