「読売新聞」11月13日付けの



橋本五郎特別編集委員の書かれた記事に感銘を受けた。



その前半部分を要約すると、



大学院の頃、友人が肺結核で入院した。



彼は大学の売店でアルバイトをしている娘さんに恋をしていた。



しかし、貧しい家の彼女との結婚には両親が許さないことも知っていた。



そんな彼をギリシャ哲学の泰斗、斉藤忍随先生と一緒に病院に見舞った。



有名ブランド「モーツァルト」のチョコレートを一箱持参した。



病室で彼が言った。



「嬉しいことがあったんだ。サエ子さん(恋人)がチョコをくれたんだ。」



それはたった一枚の板チョコだった。



貧しい故に一枚しか買えたかったのでしょうが、



彼には何よりもうれしく



見せびらかすのでした。



その時、僕は無思慮にも



「実は僕達もね・・・」と、



鞄からチョコの箱を取り出そうとした。



斉藤先生はすかさず



「僕達も何か持ってくるべきだったなあ」と言って



僕を売店に連れていった。



そして板チョコよりも安いキャラメルを一箱買って



病室に戻った。



先生は



「僕達は忙しくて何もお土産を持って来れなかったんだよ。



これで勘弁してくれ。



喉にはいいよ」と渡した。



今道友信東大名誉教授の書籍にあるエピソードらしい。



この本で今道さんは



自分自身の大切なものを捧げる「善」と



他者のためにより大きな犠牲を払う「美」の大切さを説き、



斉藤先生について



「美しい心、美しい行為です・・」と書いておられるとのこと。



日本人の美徳については様々なところでいろいろな方が書いておられるが



簡単なようで実は難しい、そういった美しい心を



少しでも実践出来たらいいのになあと思う内容だった。