人間は大脳の新皮質が膨らみすぎたがために、何にでも意味を求める生き物になった。
自分の人生にも意味を欲しがらずにはいられない。
そのために頭を抱えて苦しむ若者はいくらでもいることだろう。
そこで今、人生そのものに意味を与える存在として「自己実現」がよく叫ばれている。
そのような意味では、自己実現というのは宗教ととても似ている。
自己実現も宗教も、同じ「人生に意味をあたえるもの」というわけだ。
どちらも偉大な発明だが、僕は宗教の方が画期的だと考えている。
わかりやすく、ここで人生を会社に例えてみよう。
アナタは、「人生株式会社」に勤めている。
この会社は普通の会社とは違っていて、
社長室と社長の椅子があるが、社長がいるのを誰も見たことが無い。
仕事の内容は人によって違い、言いつけられることもあれば、自分で決めることもある。
また、いくら働こうと給料が一円も出ることはない。
アナタはこの会社で一日も休まず働いている。
さて、この会社の社員の間には、ある噂がまことしやかに流れている。
『ここの社長は、地道に働いている人間に凄い額の退職金をくれるらしい』
『社長に気に入られれば、給料の高い兄弟会社に引き抜いてもらえるらしい』
などといったものだ。
これらの噂を信じて熱心に働いている社員は多い。
噂を深く信じている社員は、とても打たれ強い。
どんなに仕事が過酷でも、噂に希望を託して努力できるからだ。
もちろん、噂を信じていない社員もいる。
社長がいるのを見たことが無いのに噂を信じることが出来ない、という人間だ。
このような人間は、仕事内容そのものにやりがいを見出そうとする。
昇進して仕事をバリバリこなすことを目標に据える。
しかし、給料は一円も出ないため、仕事を楽しめないことには見返りが無い。
また、仕事の内容は必ずしも自分で決めることは出来ず
いつも楽しい仕事ばかりではない上、能力にも個人差がある。
そのため、失敗する場合がある。
すると、今まで否定してきた噂を信じ始める者、
中には自主退職する者が出てくるのが大きな問題である。
おそらく一番多いのは、噂を信じつつ、昇進を目指して努力する者だ。
一番上手くやっている人間だと言えるだろう。
僕は人生株式会社の社員のほとんどはこの三つ、
噂を信じるもの、昇進を目指すもの、噂を信じつつ昇進を目指すもの
に分類できると考えている。
しかし、これだけではないはずだとも思っている。
なにか、人生株式会社を勤めぬくさらなる考え方があっておかしく無い。
だがなかなか思いつくものではないので、
何処かの哲学者にでも任せればいいだろう。
僕は噂を信じつつ昇進を目指す人間になりたいが、
ひねくれているので素直に噂が信じられない。
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