現在宮部みゆきの模倣犯を読んでいる。

なかなかやる気が起きないままゆっくりダラダラと読んでいたのだが、

300ページを過ぎたあたりから急に面白くなってきたので止まらない。

3、4時間ぶっ通しで読んだのに上巻がまだ200ページほど残っている。

うんざりしてしまいそうになるボリュームだが、

読み進めていると、作家の全身全霊で書き上げた傑作であることが

ひしひしと伝わってくるので、徐々にこの分厚さも好きになってきた。

気乗りしないまま読んでいた第一部が、

複雑に張り巡らされた伏線の塊のようなものであることが少しづつ分かってきた。


この小説、宮部みゆきのエネルギーは伝わっても、

彼女がどのようにしてこの複雑な物語を組み上げていったのかまるで想像もつかない。

村上龍も小説のなかで登場人物に語らせていたが、

本当に素晴らしい創作物は、一見もともとそこにあったように見える。

製作の過程を想像することが出来ないのである。

まるで石に埋まった石像を掘り出すような、

豪華絢爛な舞台に突如照明を当てるような、

初めからあたりまえに存在しているような錯覚を抱かせる。

小説に限らず、絵でも音楽でも何でも同じことだ。


また、この小説を読んでいていくつか考えさせられることがあった。

まず、どんな人間にもある程度ある人間性。

僕はこれを普段無視しすぎている。

交流の無い人間をすべて感情のない人形のように見ていた。

当たり前のことだが、すべての人間に人生がある。

僕はこれを忘れかけていた、というか、視界から外しかけていた。

それに、僕は語彙が圧倒的に足りない。

小説家に比べれば少ないのは当然といえるかも知れないが、

はっとさせられるような単語の表現が頻繁に出てくる。

僕は普段から、適切な表現が思いつかず、

ネットで類語検索をするというのもしばしばである。

もっと本を読まなければならないだろう。最近サボりすぎた。

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写真のストックが切れましたので、

いまだ予断を許さぬ状況ではありますが、

通通常の更新に戻ろうと思います。

張り詰めた心に薄ら笑いを。

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蔵王の樹氷
今年は厳冬で、巨大な樹氷が出現した。

樹氷は簡単に言えば気に氷の結晶が付着したものだが、

特殊な条件がいくつも揃わなければ出現しない。

ただ木に雪が積もっただけのものとはワケが違うのである。

スノーモンスターとも呼ばれるこの巨大な樹氷、

まるで別世界のような幻想的な景色を作り出してくれる。

その表面は非常に複雑で独特な造詣をしている。

風の形を浮き彫りにしたような、

自然のもつ美しさを遺憾なく発揮する形だ。

この形で樹氷のすべてが構成されている。

これによって光の反射の具合も変わってくる。

さて、この構造が何と呼ばれているかご存知だろうか。

美しいものに美しい名前は必須だ。

この美しさには何の名前が付いているのだろうか?

その答えは…


『エビのしっぽ』

…あれ?エビのしっぽ?

いくら似ているからといってこれは安直すぎる。

純白の世界に海産物の臭みが忍び寄ってくる。

アツアツプリプリヌルヌルのエビの質感が思い起こされてしまう。

なんてひどいネーミングだろう。

もっとこう繊細な、透明感のある、センスのあるのはないのか。

スノーモンスターもなかなか安っぽくて酷いが、

エビのしっぽはありえない。



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