徒然日記 ~ 愛wonkyu ~ ウォンキュ小説 -153ページ目

徒然日記 ~ 愛wonkyu ~ ウォンキュ小説

SJウォンキュ妄想垂れ流し小説ブログです。 
とはいいつつも83(レラトゥギ)・ヘウン、TVXQミンホも時々やらかしますが、どうぞご贔屓に!

夢というのは潜在意識の表れだとも言われている。
実際、あり得ない設定や想像すら困難な局面に立たされたりすることだって稀な事ではないのだ。
それを読み取るのは「占い」という言葉で「診断」される。
つまりは当たるも八卦当たらぬも八卦。
しかしながらキュヒョンの夢はどう考えたって…。
チャンミンは小首をかしげる。
この目の前の王子は相変わらず優しすぎる。
だからこそ自分が護衛に着けた。
王家で兄弟のように面倒を見てもらえた。
あの国のために命を懸けられるくらいに恩義を感じている。
夢の中でシウォンに答えたであろう言葉ははぐらかされたけれど「自由になりたい」に違いない。
別に自分には言ってもいいだろうに、彼は誰にも口にしないのだ。
それを素直に言えたのはきっと「夢」だからではないだろうに。
「その夢の通り姫様が見つかって嫁ぐっていうのなら問題はないだろうけど。見つからなかったらどうする?」
ちょっとばかり意地悪な質問かもしれないがチャンミンとしては一番聞いてみたいことを素直に質問してみる。
自国の母親からも、この国の地位は全く不明ながらほぼ全権を把握しているらしい王家の人間からも「逃げろ」とは言われてはいてもさすがにそれは無理な話だ。
やはりキュヒョンは当然のように言い切った。
 
「全部話して謝罪する」
「人質に取られるかもしれないし、下手すれば命だってないよ?それ以上に戦争にだってなり得ない」
「わかってるよ。わかってるけど…戦争にだけは絶対にならない。王も王子もそういう人だって判った」
 
なんだ。
その全面的な信頼は。
チャンミンは込み上げる笑いを堪えた。
さすがに箱入り息子、いや王子とでも言うべきか。
本人が本人のことを理解していなさすぎる。
 
「そんなに好きならお前がそのまま嫁げば?」
「はぁ?」
 
全く理解不能という表情で首を傾げられても笑いが増幅するだけだ。
 
「そうすれば、俺もこの国に居られるし、ありがたいけど」
「いやいやいや、ちょっと待って。全く意味不明なんだけど!?」
「どうして?嫁げばいいだろ」
「俺、男だってば!」
「知ってるよ。キュヒョナがここに居るなら、俺も好きな人の近くに居られるし、守りたい人間も守れる。非常に理想的だ」
「だから、人の話聞いてる?」
「だってお前、あの王子の事好きだろ?」
「いや、好きだけど」
 
口にしてキュヒョンは自分の言葉に引っ掛かったらしく、その言葉に首を傾げるのを見てチャンミンはニヤリと笑う。
 
「つまりはそういう事だろ?」
「どういう事だよ」
「全てを素直に話せるくらい、誰にも何にも連れていかれたくないくらいなんだから」
「…チャンミンは、そんな人に出合えたってこと?」
「そうだよ。出会っちゃったんだよ」
 
目の前の王子は実に不思議そうにチャンミンの顔を覗き込んだ。
 
「一体、いつの間に…」
「さぁ?気づいたら?今キュヒョナが言ってた通りの事を思ってた」
「これは恋なのか?」
「尊敬とか色々あるかもしれないけど、紛れもなく恋だと思ってるよ」
 
分からない、と唸るキュヒョンにチャンミンは溜息を吐くしかない。
まぁ、分からなくもないけれど。
 
「でもさ、俺、そうだとしたら気付いた途端に失恋ってことにならない?」
「どうして?」
「だってシウォン王子が求婚したのレイナだし」
「でも、あの王子がどっちを好きなのかはわからないよな?それに俺だって条件は同じだよ。あの人が俺の事を好きかなんてわからない。けど誰にも何にも連れていかれたくない」
 
恋をするなんて自分勝手で我儘で。
だけどそれを閉じ込める事もできないのだから。
キュヒョンの返事を待っていると、ドアが激しく叩かれる。
 
「キュヒョン様、いい加減起きてきてください!ただでさえお支度に時間がかかるんですから!チャンミンさん!ミイラ取りがミイラになるようなことしないで早くつれてきてくださいな!」
 
二人して「あ」と呟いたのが重なって、顔を見合わせるとクスリと笑う。
 
「そっか、俺失恋か」
「だから、まだ分からないだろ」
「チャンミンさぁ、冷静に考えればわかるだろ」
「気持ちが強ければ何かが変わるかもしれないじゃないか」
 
ふっと笑ったキュヒョンは何かに納得したかのように頷いた。
 
「期日まではレイナとしてここに居るけど…。その後は俺の好きにしてもいいよね?」
 
全てを話して謝罪する。
そういうことだろう。
それならこっちも覚悟を決めなければ。
最後までキュヒョンを守り抜く。
あの人には勝てないだろうけど、それでも自分より先になんてことは絶対にさせない。
 
「好きにすればいいんじゃない?お供しますよ王子」
「お前はジョイを連れて逃げろよ」
 
苦笑いしたキュヒョンはそれでもどこかすっきりした表情をしていた。
はっきりとした返事をする期日は後一週間。
さて、それならきっちり告白でもしようかとどこか他人事のようにチャンミンは考える。
キュヒョンがもらってきた青いバラとは違ってあの人は深紅のバラの方が似合いそうだ。

あと一週間。
それまでにキュヒョンは自分のできることを考えてみる。
この国の人達には当然として、家族にも詫びなければと手紙を書いて机の引き出しに入れた。
あとは…。
 
「とりあえず楽しもう」
 
口に出して言うとジョイが不思議そうにこちらを見たけれど深く追求される様子もない。
 
「ジョイはさぁ」
「はい」
「好きな人とかいる?」
「なんですか、いきなり」
 
焦った様子は肯定なのだろうか。
だったらちゃんと彼女はその人の元に返してあげなければ。
 
「それよりキュヒョン様」
「んー?」
「見たい夢は見れましたか?」
「え?」
「昨日戴いたバラの花びらをお茶に入れましたから」
 
シウォンがくれた青いバラ。
お茶に入れると見たい夢が見れるという噂があると言っていたけれど。
どちらかというと見たくなかった夢かもしれない。
また自分はシウォンに希望を抱いてしまった。
 
「夢なんて見れなかったよ」
 
窓から見える青空に向かって零すとジョイは「残念ですね」と微笑んだだけだ。
ドアのノックの音に返事をするとシウォンが顔を覗かせた。
 
「中庭にお茶の用意が出来てるんだけど、よかったらこない?」
「あ…今、行きます」
 
いつもこの時間にはジョンスがのんびりとお茶を飲んでいて、時折誘ってくれるのだ。
きっとシウォンも誘われたのだろう。
隣に並んだシウォンがさりげなく腰に手を廻してくる。
一瞬体が引きそうになったがただ女性をエスコートしているだけだとすぐに思い立った。
緊張していたのも少しだけでシウォンの腕は寧ろ安心感がある。
ふわりと腕が離れるのが少し寂しく感じるくらいだ。
 
「先に行ってて。ちょっと持っていくものがあるから」
 
足早に厨房の方に向かうシウォンの背中を見送って、ゆったりと中庭に向かう。
いつもの場所に置かれているテーブルにお茶の用意がされていて、やはりジョンスが微笑んで片手を挙げるとキュヒョンに椅子を勧めてくれた。
 
「お茶は何がいい?」
「じゃあ、ジョンスさんと同じものを」
「シウォナは?」
 
こちらに小さなバスケットを掲げて歩いてくるシウォンは笑いながら「出来れば酒の方がいいんだけど」と言いながらも隣に座ると聞いたことのない名前を口にした。
どうやらハーブティーらしい。
 
「それは、何?」
 
ジョンスがバスケットを指さすとシウォンはそれをジョンスの前に押しやった。
 
「リョウガが作ったお菓子ですよ」
「うわぁ、楽しみだなぁ」
 
中に入っていた焼き菓子に目を細めてジョンスがキュヒョンに子供のような笑顔を向ける。
 
「リョウクが作ったお菓子ね、美味しいんだよー」
 
知ってます。
勿論口には出せないけれどキュヒョンは頷く。
 
「あの子、なんで城に来てくれないのかなぁ」
「あの店で働く方が楽しいらしいですよ」
「お給金弾むのに」
「…リョウガの作る料理が食べられなくて民衆が一揆でも起こしたらどうするつもりですか」
「それは困るな、仕方ない諦めよう」
 
どこまで本気か分からないやり取りに笑うと、ジョンスがキュヒョンの頬に触れた。
 
「うん。笑ってる方がいいよ」
「…ありがとうございます」
「でも、無理に笑うことはないから。嫌な事は嫌だって言えばいい」
 
ふふっと笑って離れる手の優しさがシウォンと似ていて悲しいわけでもないのに泣きたくなる。
感情が揺らいでいて不安定だ。
これは罪悪感のせいなのか、恋のせいなのか。
雲一つない空を見上げると、それにつられるかのようにシウォンも眩しそうに空を見る。
 
「嫌になるほどの晴天だな」
「綺麗な空ですけど」
「うん。でも雨が恋しい」
 
キュヒョンの顔を見ながらシウォンは真剣な目でそう言った。