見事なほどの青空はこの国で珍しくはないものではあるけれど、今日に限っては更に清々しく感じる。
正装をして祭壇の前に立ち、伴侶になる相手の入場を待っていると背後からの溜息とも感嘆ともつかないざわめきに振り返った。
同じように正装したキュヒョンの美しさにシウォンは目を瞠る。
いや、本当に同じ服装なのかと思うほどにそれは彼に似合っていて、隣に並んだキュヒョンに思わずキスをしたら彼は驚いたような顔をした後、呆れたように笑って。
牧師様には「誓いのキスはもう少し後ですよ」と窘められた。
式自体は身内しか居ない。
だからその後のこの状況も理解できない訳ではないけれど。
正装をして祭壇の前に立ち、伴侶になる相手の入場を待っていると背後からの溜息とも感嘆ともつかないざわめきに振り返った。
同じように正装したキュヒョンの美しさにシウォンは目を瞠る。
いや、本当に同じ服装なのかと思うほどにそれは彼に似合っていて、隣に並んだキュヒョンに思わずキスをしたら彼は驚いたような顔をした後、呆れたように笑って。
牧師様には「誓いのキスはもう少し後ですよ」と窘められた。
式自体は身内しか居ない。
だからその後のこの状況も理解できない訳ではないけれど。
「本当に大丈夫かな」
「大丈夫だってば」
「だって、隣の国から来たって言ったって僕出来損ないなんだけど」
「…キュヒョナ…まぁ、なんというか、そろそろ慣れてはきたけど。俺が愛してる人を簡単に愚弄する言葉を使わないで」
「…んん?」
「大丈夫だってば」
「だって、隣の国から来たって言ったって僕出来損ないなんだけど」
「…キュヒョナ…まぁ、なんというか、そろそろ慣れてはきたけど。俺が愛してる人を簡単に愚弄する言葉を使わないで」
「…んん?」
本当に意味が分からないと言った様子で首を傾げられては苦笑いするしかない。
その様子を見ていた義妹がその手を取る。
その様子を見ていた義妹がその手を取る。
「キュヒョナが出来損ないだなんて、そんなことあるはずないでしょう。こんなに愛されてるのに」
「だってレイナ」
「だってじゃないわよ。こんなにお祝いムードなのに主役がこんなじゃダメでしょう」
「だってレイナ」
「だってじゃないわよ。こんなにお祝いムードなのに主役がこんなじゃダメでしょう」
お披露目を待つ国民達のざわめきや、昼花火の乾いた音が聞こえてくる。
そんな様子にジアとジョンスは顔を見合わせて溜息をついた。
そして今度はジアがその手を取るとキュヒョンの耳元で何かを囁いた。
そして今度はジアがその手を取るとキュヒョンの耳元で何かを囁いた。
「それでもダメだというなら帰ってきなさいな」
「…お義母様…」
「…お義母様…」
苦笑いするシウォンにジアは笑いかける。
「幸せにしてあげてねシウォナ。幸せにおなりなさい、キュヒョナ」
未だに不安そうなキュヒョンの手を握る。
こんなにも自分は幸せなのに、彼はそうではないのかとこちらまで不安になる。
それでも幸せにする努力ならきっと誰よりもしてみせるのに。
こんなにも自分は幸せなのに、彼はそうではないのかとこちらまで不安になる。
それでも幸せにする努力ならきっと誰よりもしてみせるのに。
「大切な人を受け入れてもらえないのなら、国を捨てることだって厭わないよ」
「それは困るけどな」と呟くヒチョルの脇腹ににこやかに肘鉄を食らわせるジョンスを見てキュヒョンが笑った。
「大丈夫。キュヒョナなら絶対」
「…なに、その断言」
「この前ヘンリーに大きくなったらキュヒョナと結婚するって言われたし」
「…ふはっ…可愛いな」
「うん。でも俺と結婚するからダメだって言っておいた」
「…なに、その断言」
「この前ヘンリーに大きくなったらキュヒョナと結婚するって言われたし」
「…ふはっ…可愛いな」
「うん。でも俺と結婚するからダメだって言っておいた」
不安の色が消えたキュヒョンの表情は楽しそうな笑みに変わっていて、シウォンは安堵する。
「じゃあ、そろそろ行くぞ」
ニッと笑ったヒチョルがバルコニーに向かうと、その後をジョンスと隣国の国王と妃が続いた。
ざわめきだったものが大きな歓声に変わる。
そしてヒチョルがそれを手で制すと、途端にその声に耳を傾ける体制になった。
やっぱりこの国王は偉大なのだ。
ざわめきだったものが大きな歓声に変わる。
そしてヒチョルがそれを手で制すと、途端にその声に耳を傾ける体制になった。
やっぱりこの国王は偉大なのだ。
「この度は我が息子の伴侶が決まっためでたい日だ。好きなだけ祝え。以上」
再び沸き立つ声に、シウォンはキュヒョンの手を引いて歩く。
「大丈夫?」
「ん…」
「ん…」
緊張した面持ちでもしっかりと頷くキュヒョンにホッと息を吐いた。
二人で一歩踏み出す。
一段と大きな歓声。
この国の多くの国民が二人を祝おうと集まってくれているのを目にすると更に幸せな気分になる。
ヘンリーを抱いたドンヘとその隣に居たヒョクチェが眩しそうにこちらを見ていて、ヘンリーがこちらに大きく手を振る。
それに応える様にキュヒョンが笑って手を振り返すとその場にいた何人かから溜息が零れていた。
二人で一歩踏み出す。
一段と大きな歓声。
この国の多くの国民が二人を祝おうと集まってくれているのを目にすると更に幸せな気分になる。
ヘンリーを抱いたドンヘとその隣に居たヒョクチェが眩しそうにこちらを見ていて、ヘンリーがこちらに大きく手を振る。
それに応える様にキュヒョンが笑って手を振り返すとその場にいた何人かから溜息が零れていた。
「盛大に祝ってくれてありがとう」
そう言ったシウォンの後にキュヒョンが照れくさそうに笑って「お礼に出来るのはこれくらいだから」と歌い始める。
その歌声にその場にいた民衆の声が聴こえなくなった。
誰もが彼の声に耳を傾け、微睡むような表情でキュヒョンを見上げる。
その歌声にその場にいた民衆の声が聴こえなくなった。
誰もが彼の声に耳を傾け、微睡むような表情でキュヒョンを見上げる。
「キュヒョンの歌は久しぶりに聴いたな。相変わらずいい声だ」
「ほんとうに。あんなに幸せそうに歌えるならきっと大丈夫ね」
「ほんとうに。あんなに幸せそうに歌えるならきっと大丈夫ね」
キュヒョンの両親はそう言って微笑み合う。
暫くすると晴れたままの空から霧のような雨が落ちて、それはすぐに止んだかと思うと子供たちの声が聞こえてきた。
暫くすると晴れたままの空から霧のような雨が落ちて、それはすぐに止んだかと思うと子供たちの声が聞こえてきた。
「虹だ!!」
この国では滅多に見られるものではない。
ほとんど伝説だと言ってもいい程の現象だ。
ましてやもう終わるかとは言え乾期のこの時期に。
ほとんど伝説だと言ってもいい程の現象だ。
ましてやもう終わるかとは言え乾期のこの時期に。
驚いたようにそれを見詰めるヒチョルがポツリと
「シウォナ。お前とんでもない伴侶を持ったな」
そう言うとシウォンは誇らしげに笑う。
「ええ。世界一の伴侶でしょう?」
あんなに綺麗で。
あんなに可愛くて。
こんなにも周りの空気を暖かくする。
子供の頃あの森で迷わなければ。
成人の儀で見かけた時に彼がつまらなさそうに窓の外を見ていなければ。
見過ごしていたかもしれない運命の人だ。
歌い終わって振り返ったキュヒョンが微笑む。
その瞬間に今までに聞いたことがないような歓声に包まれて、その原因を作った本人が一番驚いた顔をしているのが可笑しくて仕方がない。
こんなすごい力を持っているのにどこが出来損ないだというのか。
抱き寄せて、抱きしめて、どんなに凄い事かを分からせようとしたところで、きっと彼は分からないのだろうけど。
それは、これから先一生をかけて伝えていけばいい。
あんなに可愛くて。
こんなにも周りの空気を暖かくする。
子供の頃あの森で迷わなければ。
成人の儀で見かけた時に彼がつまらなさそうに窓の外を見ていなければ。
見過ごしていたかもしれない運命の人だ。
歌い終わって振り返ったキュヒョンが微笑む。
その瞬間に今までに聞いたことがないような歓声に包まれて、その原因を作った本人が一番驚いた顔をしているのが可笑しくて仕方がない。
こんなすごい力を持っているのにどこが出来損ないだというのか。
抱き寄せて、抱きしめて、どんなに凄い事かを分からせようとしたところで、きっと彼は分からないのだろうけど。
それは、これから先一生をかけて伝えていけばいい。
