探したら出てきたよ…
10年以上前(多分15年は前な気がする)に書いた関西鉄道擬人化。
あの当時人身遅延オンパレードで怒りを収めるために勢いで「こんなだったら、遅延も少し許せる」と駅のホームでペコペコ携帯のボタンで書いた代物。
書いた後、妙にやったった感あったけどまだ電車来なくて、むむむってなった記憶ある(笑)
まぁ、よろしければお暇潰しにでもどうぞ。
擬人化なんて興味ないわあーって方は華麗にスルーしてくださいまし。
当時は勢いだったのでタイトルとか付いてないな。
あくまで私の主観ですwww
神戸線はもう少し大人しい気もするけど、まぁ姫路まであるしね…。
シャワールームから濡れた髪をがしがしと乱暴にタオルで拭きながら現れた男に、冷ややかに視線を向ける。
「今日も遅延やって?」
「別に好きで遅れたわけちゃうし」
出来ることなら遅延も運休も勘弁してもらいたい。
ここのところ立て続けの人身事故でこっちの神経もささくれ立っているというのに、なんで無遠慮に一番ささくれを悪化させる人物が現れるのか。
そもそも、業務の最中にシャワーを浴びなければならないような状態に陥っているこっちの身を少しでも同情しやがれ。
真新しいシャツに袖を通しながら心の中でそう文句を並べるのは「神戸線」
JR東海道本線大阪駅からJR山陽本線姫路駅までを結ぶ線の愛称である。
「大体!! お前の本線の東海道での方が多いんじゃ!ボケ」
「今日のは三ノ宮や。山陽やし。それにそもそも京都線には関係ない」
しれっと答えるのはJR東海道本線大阪駅から京都駅の間の愛称「京都線」
「ほんま迷惑やねんなぁ。毎回毎回そっちの飛び火を食らうのはうちなんやさかい」
「へぇ、へぇ。すいませんねぇ」
相手にしてられるか。
柔らかい言葉でねちねちとつつくのが京都の悪いところだ。
上官と同じで妙なプライドの高さが神戸には気に食わない。
「つっーか。お前だけやし。そんな文句言うの」
「なんや。播但や姫新は文句言わへんのか?」
名前を呼ばれた二人は神戸に着せる新しい制服と髪を乾かすドライヤーのスタンバイをしている。
「だって。どうせ姫路から西は各駅ばっかりやし。遅延でそんな問題ないもん。なんなら加古川あたりで折り返しとか、西明石終点とかになって入ってこんしな」
「遅れてても、通常でも各駅やからのぉ。なんやったら山電とか阪急、阪神の方が…」
「なー」と二人で顔を見合わせる。
和むなぁ、と神戸は二人の醸し出す空気で癒された。
山電こと山陽電気鉄道。
JRが止まる天災であっても地味に頑張る私鉄の彼は神戸から姫路区間を担っているため、神戸線遅延のさいにも非常に助かる存在である。
ただJRと離れているため乗り換えの際は直結している駅が少ないのも特徴なのだ。
「え。振り替え必要?」
「どうやろ。急ぐ人はもうそっち使ってると思うけど」
「確認してくるよー」
そう言って出ていく山電の背中を見送りながら優雅に紅茶を口に運ぶ阪急。
神戸線、京都線、宝塚線の三区間。
マルーンカラーの車体にグリーン基調の内装の高級感漂う会社である。
今、彼の前にアフタヌーンティーセットを置きたいと神戸は心から思った。
なんならベルばらのオスカルの衣装でも問題なさそうだ。
阪急は優雅な仕草でティーカップを置くと、阪神ににっこりと微笑む。
「今日は試合なくてよかったね、阪神」
「いや、ほんまに!」
阪神タイガース応援グッズに身を包んで頷くのは阪神電鉄。
「試合のだだ混みに加えての振り替えやったらしんどかったな」
しみじみと言う彼はご存知甲子園球場に乗り込むに必要不可欠、虎党には愛されまくる会社なのだ。
「振り替え大丈夫みたいやでー?そっちも遅延で地味に動いてるみたいやし」
「じゃあ行くか。おおきに山電」
「頑張ってねー」
一足先に飛び出した京都の後。
身支度を整えた神戸を送り出して姫新と播但は自分たちの配置に戻りながらのんびりと世間話。
「だいたい、京都は神戸のこと好き過やね」
「好きな子ほど苛めたいっていう屈折した性格は京男っぽいのぉ」
「あははは。もっとも」
「神戸も気付かんとこが…アホじゃ」
そんな性格分析をされているとは知らず。
今日も走り続ける二人。
全員頑張って欲しいものである。
腐れって、どんな時にも腐れだよねー。
しみじみ