【TVXQミンホ】crank up | 徒然日記 ~ 愛wonkyu ~ ウォンキュ小説

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とはいいつつも83(レラトゥギ)・ヘウン、TVXQミンホも時々やらかしますが、どうぞご贔屓に!

シム・チャンミン。

彼は国民的人気アイドルである。

そんな彼が悩まし気な顔で溜息を吐こうものなら卒倒する人間も居るはずだ。

横に居る男には全く通用していないけれど。

 

「ドラマかぁ…」

「持ってきた仕事に不満はないだろ?」

 

歌には自信があるしダンスだって努力した分結果を出せている。

けれど演技となると経験は浅いし、正直やりたいわけでもない。

それでも嫌だと跳ねのけられないのは現在の自分の立場だ。

今までグループで活動していたが、他のメンバーが事務所と契約が切れると退所したのだ。

勝手な噂はたてられたけれど不仲説だけは思いっきり蹴とばしてやりたい。

やりたいことの方向性が彼らと事務所と会わなかっただけの話だ。

今だって連絡はしているし、たまに合って近況報告している。

契約の継続をしたチャンミンはソロとして活動を始めたが今までの仕事量を考えると歌うだけで続けていけないのも承知している。

多分どんな仕事も自分が好きな事だけではやっていけない。

チャンミンの横に座っている「敏腕」と枕詞が付くであろうマネージャーが持ってきたドラマは他に喉から手が出るほどこれをやりたいだろう人間が幾人も居るに違いないのだ。

昨年度話題になったドラマの演出家と脚本家がタッグを組んだうえ。定評のある監督にプロデューサー。

そして何より主演が人気俳優のチョン・ユンホ。

ここ数年ドラマや映画で観ない時は無い。

クールな役どころが多いのは彼の端正な顔立ちのせいだろうか。

それと肩を並べるW主演なのだから。

 

「…すごく面白そうだけど、俺でいいの、コレ?」

「オファー来てるんだからいいに決まってる。いい経験にもなるだろうし」

「そだね。コケても俺のせいにできるよね」

「…その、たまーに思いっきり後ろ向きな発言やめて」

「それにさぁ。チョン・ユンホって…俺とか絶対嫌なんじゃないの?」

「あぁ…まぁいろいろ言われてるけど、他に共演した人からはあまり聞かないし大丈夫だろ?」

 

チョン・ユンホ。

彼には噂がある。

片手間に俳優をやるようなアイドルが好きじゃない。

まぁ、どうせ自分に拒否権なんてあるわけじゃないし、とチャンミンはシートに背中を預けて目を閉じた。

それより今は短い移動時間でも睡眠に使う方が有意義だ。

 

 

スタッフや主要キャストが揃っての顔合わせが行われ、その錚々たる顔ぶれに押されそうになる。

今回のドラマはいわゆる刑事もの。

企画段階で「これ、本当に間違ってないですよね?」とチャンミンが何度も訊ねたのは役どころだ。

普段クールで二枚目の役の多いチョン・ユンホが「型破りで天真爛漫な刑事」その相棒の「熱血だけれどクールな刑事」をチャンミンに割り振られたからだ。

何度確認しても間違っていないと苦笑いされただけではあるけれど。

プロデューサーが監督や脚本家を紹介した後に配役を読み上げ、呼ばれた役者が短く挨拶をしていく。

 

「ホン・ジナ役のボアさん」

「今回、超イケメン二人を掌で躍らせられる役と聞いて二つ返事でお受けいたしました。よろしくお願します」

 

茶目っ気たっぷりでそう笑った彼女に空気がふわりと緩んだ。

この人が上司になるのか、とチャンミンの表情も緩む。

 

「ユ・ジョンヒョン役はシム・チャンミンさん」

「演技の経験が少ないので、ご迷惑おかけすることもあると思いますが精一杯務めさせていただきます。よろしくお願いします」

 

拍手で迎えられてホッと一息吐く。

 

「ソ・テギ役のチョン・ユンホさん」

「テギになり切れるように頑張ります。よろしくお願いします」

 

クールな表情のままそう挨拶した後、隣に居たボアが溜息を吐いた。

 

「アンタ、眼鏡は?」

「…忘れた」

「コンタクト入ってないよね」

「はい…忘れました」

「今目つきが悪いのは視力のせいで決して不機嫌なわけではないのでご安心ください」

 

ボアがそう言うと周りから笑いが起きる。

 

「なんか…酷い…」

 

そう呟いて自分の目元をマッサージしているユノは普段テレビで見ているクールなイメージとは違っていてなんだか親しみを感じた。

顔合わせが終わって解散するとボアとユノが楽しそうに話しているのを見つける。

 

「あの二人仲いいんですね」

 

チャンミンの言葉にスタッフの一人が答えてくれる。

 

「同じ事務所で同期らしくて。なんだか姉弟みたいですよね」

 

そこは恋人同士とかにならないんだな、と考えていると、振り返ったユノがボアに手を振ってチャンミンの方に寄って来た。

 

「シム・チャンミン!本物だ!」

「は、はい!?」

 

近い。

非常に近い。

身長がほんの少しユノの方が低いのだろう。

心なし下から覗き込まれる感じて顔を寄せられた。

前々からドラマとかで観る度に思っていたけど、この人凄い色気があるな。

 

「ち、近い…です」

「あ、ごめんな。コンタクト忘れちゃってつい…」

 

照れたように笑って離れたユノがチャンミンの手を握ってブンブンと振った。

 

「俺、チャンミンのファンなんだ。後でCDにサイン貰っていい?」

「え、はい、もちろんです。というか、光栄です」

「やったあぁぁ」

 

ガッツポーズまで披露されて、イメージが違うどころの騒ぎじゃないじゃないか!! というチャンミンの心の叫びは多分初めて共演する人間全ての叫びだと思われた。

 

「これからよろしく。相棒」

 

そう言われて慌てて姿勢を正した。

 

「こちらこそよろしくお願いします」