【ウォンキュ】 君に架ける橋 11 | 徒然日記 ~ 愛wonkyu ~ ウォンキュ小説

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SJウォンキュ妄想垂れ流し小説ブログです。 
とはいいつつも83(レラトゥギ)・ヘウン、TVXQミンホも時々やらかしますが、どうぞご贔屓に!

【S-4】
 
最初の頃は1ヶ月に一回あったキュヒョンのメンテナンスも、最近では三ヶ月に一回程のペースになっている。
今日はいつもより戻ってくる時間が遅い。
どこか調子が悪かったとか、そういったことならなにか連絡もくるだろう。
陽が傾きだしたの窓の外を眺めていると、病院のまえの銀杏の並木道を走ってくるキュヒョンの姿が見えてほっとした。
暫くすると病室のドアをノックしてキュヒョンが入ってくる。
 
「おかえり」
「ただいま、シウォナ!」
 
ダイブでもしそうな勢いで飛びついてくる身体を受け止める。
キュヒョンからは太陽の匂いがした。
 
「今日はゆっくりだったんだね」
「うん。ちょっとね、寄道した」
 
そう言いながらサイドテーブルの上に紙袋からだした掌程の機械を出すと、カーテンを引いて陽の光を柔らかくした。
オレンジからグレーに変わった壁の一角が白く切り取られると、キュヒョンが小さな機械の上にモバイルを置いてボタンを押す。
その白い部分にいきなり緑が現れて子供の笑い声が聞こえた。
部屋の一角に突然公園ができた。
サイドテーブルの上の機械はプロジェクターだ。
 
「どうしたの、これ」
「ジョンスヒョンがお菓子のお礼だって。美味しかったって言ってたよ」
 
青空、緑の木々。
風が淡い緑の葉を揺らす。
春の公園には生命力がある。
 
「楽しそうだ」
「うん。シウォナと一緒だと楽しいと思って」
 
ベッドサイドに腰かけたキュヒョンが肩に頭を預けてくる。
その頭に寄りかかって、手を繋ぐとキュヒョンがその手を揺らした。
 
「これ、凄いね。公園でデートしてるみたいだ」
「デートいいね」
 
キュヒョンが楽しそうに笑う。
 
「シウォナ行きたい所あったら僕が連れて行くよ」
 
こうして、景色を録って来てくれると言うことだろう。
 
「そうだなぁ、海もいいな。映画も見に行きたいし、美味しいものも食べたいし。でもキュヒョンと一緒ならどこでもいいよ」
「僕も。一緒に居られるだけでいい」
 
またとんでもない殺し文句だ。
素直で嘘がないというのも、それはそれで性質が悪い。
ドキドキさせられっぱなしじゃないか。
 
「これでももちろん楽しいけどさ。本当に外に出ていける場所で、行きたいところがあるんだけど」
 
そう言うとキュヒョンは目を輝かせてこっちを見た。
指を窓の外の病院前に向ける。
 
「あの銀杏並木。秋になって葉が色づいたら綺麗だと思うんだよね」
「うん。楽しみ。でもそれなら秋にならなくったって時間がある時に行こうよ。緑の葉もきっと綺麗だよ」
 
キュヒョンが笑う。
確かにその通りだ。
きっと彼と一緒なら青い空に映える新緑も、秋の高くなった澄んだ空に色づく山吹色も美しいに違いない。
 
その日からキュヒョンは時間ができるとこうして景色を撮ってきてくれた。
病院にの屋上や庭にでることはできるけれど、遠くへは行けない自分のために川沿いの景色や公園、撮影許可のある美術館や動物園。
砂浜で波打ち際に立ったキュヒョンが大騒ぎしている、映像に笑うと彼は拗ねて頬を膨らませる。
 
「だって、初めてだったんだもん。びっくりしたんだ」
「ごめん。だって可愛くてさ」
「シウォナ、笑いすぎ。…でも楽しいならいいや」
 
キュヒョンはいつだって新鮮で可愛くて。
時折、手を繋いで病院の前の銀杏並木を歩く時でもはしゃぐ姿に癒される。
 
神よ、どこにいるのですか。
刻む秒針の音は乱れることなく進んでいくだけで、
ただの人でしかない自分には為す術もなく、でもきっとあなたにすら変えることが出来ない「時」の中で彼に出会えた奇跡には感謝したいけれど。
こんな切なさをあなたは知っていますか。
この悲しみと幸せが届いてますか。
こんな時間が永遠に続けばいいのに。
望むくらいは許してくれるのですか。
出来るなら、望むだけではなく現実になればいいと思ってはいるけれど。