月日が経ち...

デジタルに染まっていく景色。

あの頃の、あの人なんて忘れるものだ。

過ごしてきた時間は古びた時計のように劣化。


時は遡り、

彩花という人物を憶えているだろうか。

『ダナ思考』(旧Boyishダナーズ)の登場人物で

準主役となる存在だった。


彩花と言えば、

今から6年前の最終話。

高校卒業式後、

美結は恋人の彩花へプロポーズをする場面で

あの日、彩花は死んだのだと蘇り泣き崩れた

衝撃のラストだった。

美結が見ていた3年間の彩花は幻だった。


彩花が亡くなった原因は、

学校でいじめられて自殺。

彩花は授業中失禁してしまったことから

同級生達に目をつけられ、

両親にも冷酷な扱いをされて相談できず

一人で抱え込んでいた

と言う情報。


しかし、それは本当なのだろうか。


害のない高校生が失禁と言う理由で

自殺に至らせる程、集団でいじめるのか。

高校生の年齢では特に

その様な原因のいじめは聞かない。

彩花は本当にその理由で

同級生達にいじめられていたのか。

当時は証拠隠蔽で犯人は特定されなかった。


実は、あの事件にはもう一つ

疑惑の情報があった。


───────────────────


2016年4月


高校入学式の翌日...

本格的に始まった学校生活。

教室では、知り合いと喋る生徒達や

静かに過ごす生徒達で分かれていた。

そんな中、学区外から来た美結(当時15歳)は、

話し相手がおらず一人呆然と座っていた。

美結「...」

新しい教材、新しいノート、

馴染みがあるのは中学校から使ってる筆箱。

見知らぬ生徒達を見渡す。

不安の美結の目に入ったのは、

紺色眼鏡を掛けたショートボブの女子生徒。

静かに座って読書をして

美結のように一人で過ごしている。

その容姿と性格は美結の好みだった。

美結「(あの子...タイプ)」

仲良くなりたいと興味を持つ美結は、

声を掛けたいと考えるが人見知りで動けず。

美結「(なんて話しかければいいのかな...)」

(♪〜)

授業開始のチャイムが鳴り響く。

美結「(あぁ...)」

席に座る生徒達。

女性先生「授業を始めます」

美結「......」

美結はその女子生徒に気になって

見入ってしまっていた。

女性先生「◯◯(美結の名字)さ〜ん」

美結「っ!はい」

女性先生「黒板見てよ〜」

美結「あっ、はい...w」


体育の授業では...

女性担任「よーい、スタート」

短距離を走る女子生徒達。

美結は女子生徒に存在を見せようと調子に乗る。

女性担任「◯◯(美結の名字)さん!」

女性担任「歩かずにちゃんと走って!」

美結「は〜いw」

女子生徒「...」


休憩時間になって

再び読書をする女子生徒。

美結はその女子生徒に近付くと

斜め背後から眺める。

美結「(駄目だ...何を話したらいいのか...)」

女子生徒「...」

美結「(また声を掛けられない...)」

もどかしくてイライラする美結。

女子生徒「...」(本を閉じる)

美結「(っ...読み終わった?)」

美結は今しかないと勇気を出して声を出す。

美結「あ...」

女子生徒「...」

美結「あのっ...」

女子生徒「...?」(振り向く)

美結「っ...何の本読んでたの...?」

女子生徒「えっと...これは...」

女子生徒は本を美結に見せる。

美結「...なるほど!面白そうだね!」

美結「私も...本が好きなんだw」

本に全く興味がない美結は

仲良くなるために嘘をつく。

女子生徒「あぁ...そうなんですね...」

美結「(敬語?!)」

美結「(想像以上に緊張してるな...この子)」

美結「あっ...敬語じゃなくていいよ!」

女子生徒「っ...えっと...」

美結「...?」

女子生徒「...ごめんなさい」

美結「ん...?謝らなくていいよw」

美結「名前は?」

女子生徒「髙橋です」

美結「(あれ、まだ敬語...まぁいいや)」

美結「下の名前は?」

女子生徒「...彩花です」

美結「彩花ちゃんか!私は美結^^」

彩花「...」(頭を下げる)

美結「彩花ちゃん、緊張しなくていいからね」

美結「仲良くしよう!」

話して一気に緊張が解けた美結は

もっと彩花へ近付こうとする。

美結「昼休憩遊べる?」

彩花「今日は午前授業なので...」

美結「あっ、そうだった!」

美結「ってことで放課後遊べる?」

彩花「あ...大丈夫です」

美結「大丈夫...いいよってこと?w」

彩花「はい」

美結「ほんと?!やった!」

(♪〜)

美結「あっ、チャイム鳴った」

美結「じゃあまた後でね^^」

彩花「...」(頭を下げる)

席に戻った美結はルンルンと微笑む。

美結「(楽しみだなぁ♪)」


そして放課後...

美結「行こう!」

美結は彩花を連れてショッピングモールに来た。

彩花「...」

美結「(彩花ちゃんと二人きり///)」

美結「(記念にツーショット写真撮りたいな)」

美結「(でも彩花ちゃんが嫌だよね...)」

美結は彩花と仲良くなろうと

積極的に話したり笑わせようとする。


彩花「...」

美結「...」

時間が経っても彩花の緊張は解けず。

美結「(どうやったら心開いてくれるのかな)」

美結「(そもそも笑わない子?)」

彩花「...」

美結「(...彩花ちゃんと仲良くなれるのかな)」

美結「...」

美結「(友達以上になりたい...)」

彩花の人柄に美結の心は惹きつけられ

恋に落ちていた。

美結「...彩花ちゃんって好きな子いるの?」

彩花「いないですね...」

美結「...」

美結「俺は...いる」

彩花「そうなんですか?」

美結「...知りたい?」

彩花「えっ...それはどちらでも...」

美結「彩花ちゃんにだけ教える」

彩花「あ...は、はい」

美結「俺の好きな子は...」

彩花「...」

美結「...」

美結「あなたです」

彩花「...えっ」

美結「俺と付き合ってください」

彩花「...」

こんなに早く想いを告げるとは

美結も思っていなかった。

美結「(だめだよね...)」

美結「(なのに願ってる...信じてる...)」

美結「...」

彩花「...」

沈黙の数十秒後、俯く彩花に視線を向けた時

彩花「...ごめんなさい」

その言葉に息が止まる美結。

美結「っ...」

彩花「人を好きになったことがなくて...」

美結「俺のこと好きになれそうにない?」

彩花「...分からないです」

美結「...」

自信を失った美結は、悲しみを隠せず

呆然となる。

彩花「ごめんなさい...」

美結「...ううん^^俺こそごめんね」

覚悟はしていたが、現実に痛感する美結。


翌朝...

教室に入った美結は彩花の席へ視線を向けると

彩花は来ていない。

美結「...」

結局、昨日はお互いに気まずい雰囲気になり

解散することになった。

美結「はぁ...」

美結は席に座ると机に伏せる。

恋は束の間だった。

美結「(もう嫌だ...学校行きたくない)」

美結「(高校生活はこれからなのに...)」

そこへ教室に入ってくる彩花。

美結「...」(振り向く)

美結「っ...」

美結「...」(机に伏せる)

彩花と関わるのをやめた美結だが

話しかけてきてくれるのかなと期待する。

美結「(駄目だ...話したら余計苦しい)」

美結「(どうせ恋人にはなれやしないのに...)」

美結「...っ」

胸が痛み、耐えられない美結は教室を出た。


(♪〜)

授業が始まっても教室に戻らない美結。

女性先生「あれ?一人欠席?」

生徒全員「...」


美結「...」

トイレの個室に閉じこもる美結のもとへ...

(トントン)

女性担任「◯◯(美結の名字)さん」

美結「...」

女性担任「閉じこもってないで出てきて」

(トントン)

女性担任「◯◯(美結の名字)さ〜ん」

美結「...」


トイレの個室から出た美結は、

女性担任と別室に移動する。

美結「悩みがあって...」

女性担任「何かあったの?」

美結「好きな子がいるんです」

女性担任「なるほど...同じ学校の人?」

美結「はい、同じクラスの...」

女性担任「へ〜...誰?」

美結「髙橋彩花ちゃんです」

女性担任「...えっ、女性?」

美結「はい」

女性担任「え〜...女性が好きなんだ...」

美結「昨日彩花ちゃんを誘って遊んだんです」

女性担任「おぉ、それで?」

美結「告白したんですけど...振られちゃて」

女性担任「あら...」

美結「人を好きになったことがないって」

女性担任「言われたの?」

美結「はい...」

女性担任「あなたが初恋の相手になるのかもよ」

美結「...それはないと思います」

女性担任「なんで?」

美結「私を好きになれそう?って聞いたら」

美結「分からないって言われました」

女性担任「それはあなたのこと分からないから」

女性担任「昨日出会って告白は早いよ〜」

美結「ですよね...」

女性担任「もっとお互いを知らないと」

女性担任「これから仲良くしてみたら?」

美結「...もうだめです」

女性担任「まだチャンスあるよ」

美結「1回振られたらもうだめです」

女性担任「諦めないで」

美結「...」


その夜...

美結の母「あんた先生に話したの?」

美結「え?」

美結の母「同性愛って」

美結「っ...なんで知ってるの?」

美結の母「先生から電話があった」

女性担任は電話で美結の母に

「美結さんが同性愛って本当なんですか?」

と、聞いていた。

美結の母「変なこと言わないで」

美結「...」

美結「(相談するんじゃなかった)」


翌日から遅れて登校する美結は、

二時間目後の休憩時間から教室に入る。

美結「...」

彩花の背後を見ていると...

彩花「...」(席を立つ)

美結に視線を向けることなく教室を出る彩花。

美結「っ...」

美結「(俺の気持ちも知らずに...)」

美結は彩花の机の前に立つと

教材を隅に移動させてリュックから筆箱を出す。

美結「...」

黒色のマジックペンを出すと机に落書きをする。

"弱虫" "臆病" "地味"

美結「ひひひww」

美結「後は〜...♪」

女子生徒➀「あの俳優イケメンじゃね?」

女子生徒➁「思った!」

横を通る女子生徒二人。

美結「っ...」(机から離れる)

女子生徒達が去ってから机の前に戻る美結。

美結「早く考えないと戻ってくるぞ...」

美結「...っ!?」

振り向いた先には彩花が立っていた。

彩花「...」

青ざめる美結はマジックペンを隠して

速攻で言い訳を思いつく。

美結「誰かに机に落書きされてるよ!」

美結「拭くの手伝うね!」

(♪〜)

美結「あっ...ごめん!後で手伝いに行くね!」

美結はダッシュで席に戻る。

美結「(...もう見られたよな)」

ヒヤヒヤする気持ちで彩花へ視線を向けると

彩花は机の教材を元の位置に移動させていた。

美結「(彩花なら先生に言わないよね)」


休憩時間

美結は怪しまれないように

第三者を装い続けて彩花の席に行く。

美結「大丈夫...?」

彩花「...はい」

美結「布巾ってどこにあるっけ...」

彩花「...」

彩花は布巾を取りに教室を出る。

美結「(はいって言うってことは...)」

美結「(犯人は俺だと思ってない?)」

美結「(さっきので分からなかったなんて)」

美結「(鈍感だなぁ〜w)」

調子に乗る美結は更に意地悪をする。

彩花の筆箱からシャーペンを全部取り出すと

速やかに席に戻って自分の筆箱に入れる。

美結「へへへww」

何もないように彩花の席で待っていると

布巾を持って戻ってきた彩花。

美結「あれ?俺の分は?w」

彩花「自分で拭くので大丈夫です...」

美結「手伝うよ!」

美結は布巾を取って机を拭く。

彩花「大丈夫です...」

美結「遠慮すんなって〜、友達だろ!」

彩花「...」

美結「違うの?」

美結「恋人?」

彩花「...いえ」

美結「それは否定するんだ?」

美結「じゃあ友達?」

彩花「...」

美結「え...どっちでもないの?」

美結「...」

美結「なんで?昨日の俺の告白のせい?」

彩花「そう言うわけでは...」

美結「じゃあ何?ねぇ」

美結「俺と仲良くなれないの?」

彩花「いえ...私が駄目なんです...」

美結「...」

美結「そんな性格じゃだめだねw」

彩花「...」

美結「お前といたらイライラする」

彩花「...ごめんなさい」

美結「ごめんなさいじゃねえんだよ!!」

その大声に振り向く辺りの生徒達。

美結「...っ」

(バッ!)

彩花に向かって布巾を投げつけた美結は、

席に戻って机に伏せる。


女性先生「授業を始めます」

美結は彩花へ視線を向ける。

彩花「...」

筆箱の中を探る彩花は動きが止まる。

消えているシャーペンに戸惑っていた。

美結「(全部お前が悪いんだよ)」

生徒達がノートに板書している中

彩花はどうしようも出来ず黒板を見ていた。

美結「(ざまあみろw)」

数分後、女性先生は彩花の席に近付く。

美結「(そら見ろ、怒られるぞw)」

女性先生「筆記用具は?」

彩花「...なくしてしまいました」

その会話に彩花の前席の女子生徒が振り向く。

女子生徒「これ使って!」

女子生徒は彩花にシャーペンを貸す。

彩花「あっ...ありがとうございます...」

女性先生「良かったね^^」

美結「(ッチ...アイツ余計なことしやがって)」


美結は彩花への怒りが強くなって...

彩花「...」(水筒のお茶を飲む)

(バッ)

背後から水筒を奪う美結。

彩花「?...」

(バシャッ!)

彩花「っ!」

彩花の頭上からお茶を掛ける美結。

(ビチャバチャ...)

美結「...」


美結「ねぇねぇ」

女子生徒達「?」

美結「ここだけの話なんだけど」

美結「髙橋彩花ちゃんって...」

女子生徒➀「ん?誰?」

女子生徒②「髙橋彩花...?」

美結「あ、知らない?」

女子生徒②「知らない...」

美結「えっと...」

美結「あの眼鏡掛けた女子いるじゃん?」

女子生徒➀「眼鏡?うん」

女子生徒③「ショートボブのね」

美結「どんな子に見える?」

女子生徒➀「え〜...」

女子生徒②「大人しそうな感じ?」

美結「だよね?」

美結「でもあの子、援交してるんだって」

女子生徒②「え〜...」

女子生徒③「マジで?やば...」

女子生徒➃「真面目そうな人ほどヤバいよね」


美結はクラスメイトの生徒達に嘘をついて

彩花の評判を下げようとする。

女子生徒➀「見えないよね?体売るような子に」

女子生徒②「誰が?」

女子生徒➀「髙橋彩花って子」

彩花「...?」

彩花への印象が変わる生徒達もいれば

真に受けない生徒達もいた。

噂を聞いてもいじめが起きないのは

中学校の頃と違う点だった。


納得がいかない美結は更にエスカレートする。

(パシャッ...パシャッ)

彩花を盗撮した美結は、

Twitterで匿名アカウントを作成すると

躊躇なく顔写真を載せた。

『こっそり援交してた女www』

『#女子高生 #JK #援交 #変態』

ツイートの閲覧数は増えるが反応はない。

彩花の顔写真が人々の目に入るだけでも

満足する美結。

美結「警察に捕まったからって」

美結「まだ未成年だから名前載らないもんね」


放課後...

(バンッ!)

彩花「っ...」

美結は彩花をトイレの個室に連れ込むと

スマホを見せる。

画面に表示されている偽造ツイートに

立ち尽くす彩花。

彩花「...えっ...」

美結「クラスのみんなも知ってるぞ」

彩花「...」

ショックで涙目になる彩花。

美結「諦めろ、髙橋」

美結「お前の人生は終わったんだ」

美結「みんなお前の敵だぞ」

美結「大人になっても冷たい目で見られて」

美結「一生嫌われ者」

美結「でも、1つだけ方法がある」

美結「俺と付き合ったら拡散を止めてやる」

彩花「...」

美結「いじめを終わらせてやるよ」

美結「一択しかないよなぁ?」

彩花「...」

怯える彩花に近付く美結。

美結「...あ?」

美結「お前はそれほど俺を嫌いか」

美結「いじめられるより苦しいのか」

美結「なあ!!」(バンッ!!)

壁を強く蹴る美結。

彩花「っ...」

美結「ナメんなよ...」

(グイッ!)

彩花のブラウスを引き裂こうとする美結。

彩花「っ!...」

美結「俺と付き合えよ」

美結「楽になれよ!」

彩花「やめてください...!」

美結「うるせえ!!」

(グッ...!)

抵抗する彩花に力を強める美結。

彩花「うぅっ...!」

美結「諦めろって言ってんだよ!!」

その時、トイレ入口の扉が開く音に

動きを止める美結。

美結「...」

彩花「...」

(ガチャッ)

個室に入る女子生徒の音に気配を消す。

(ジャー...)

女子生徒がトイレから出たのを確認すると...

美結「せっかくのチャンスを逃しちゃったねぇ」

美結「覚悟しとけよ」

美結「高校生活はこれからだwww」

(バンッ!)

美結はトイレの個室を出ると

ドアにちりとりを立て掛ける。

彩花「っ...」

彩花を閉じ込めた美結はバケツに満水を組むと

個室の上から逆さにして落とした。

(バシャーンッ!)

彩花「うっ...」

一瞬で全身ずぶ濡れになる彩花。

美結「ざまあ髙橋www」

美結は去って行った。

彩花「...うぅっ...」

座り込み、泣き崩れる彩花。


彩花「...」

保健室で体操服を借りて家に帰った彩花は

母に聞かれても本当のことを話せず

明日に近付くにつれて強くなる憂鬱。

美結は恐怖の存在だった。


翌日...

朝から学校に来た美結は教室に入ると

彩花の席に視線を向ける。

美結「(アイツは来てねえな)」

美結「...?」

窓辺に集って騒然と見下ろしている生徒達。

女子生徒➀「マジで?」

女子生徒②「え...」

男子生徒➀「うわー...」

男子生徒②「ヤバい」

美結「(みんな集まって馬鹿馬鹿しい)」

美結はリュックから教材を出していると

女子生徒③「飛び降りだって」

美結「えっ!?」

その言葉に動きが止まる。

驚く美結は生徒達に近付く。

美結「飛び降り?!」

女子生徒➄「うん...」

美結「誰が?」

女子生徒➄「分からない...」

窓から校庭を見ようとしていると...

(♪〜)

女性担任「はい、皆さん席に着いてください」

美結「(見れなかった...)」

席に戻る生徒達。

美結も席に着くとリュックを机の横に掛ける。

美結「...」

その時、視界に入った空席。

彩花が学校に来ていないと分かる。

美結「(アイツ学校休んだな)」

美結「...」

美結「(まさか...)」

女性担任「おはようございます」

女性担任「今大変なことになってるのは」

女性担任「皆さんも知ってると思いますが」

女性担任「このクラスの髙橋彩花さんが」

美結「っ...」

女性担任「先ほど屋上から転落して」

女性担任「亡くなっていると確認されました」

女子生徒達「えっ...」

唖然の生徒達。

女性担任「突然で驚かれてるとは思いますが...」

美結「......」


その後、美結はスマホを手に取ると

急いでTwitterの偽造ツイートと

アカウントを削除する。

美結「(俺は悪くない...俺は悪くない...)」

美結「(アイツが全部悪い...)」


「俺は悪くない!!」

「アイツが全部悪い!!」


「そこまで、俺のこと...」

「嫌いか......」



───────────────────


あれから8年経った現在

彩花を自殺に追いつめた犯人は同級生ではなく、

美結だったのか。

未だに真実は解らず。