土曜日 昼前頃
美結と日和は駅前プリクラ店を出ようとすると
ちょうど入って来たロリータファッションの
若い女子二人。
美結「…」
美結は女子二人の服を見ながら外へ出た。
日和「♪~」
美結「…なぁ、さっきの女子達見た?」
日和「チラッと見たよ。」
美結「最近ロリータ流行ってるよね?」
日和「あー…確かに流行ってるね。」
美結「俺、去年ロリータファッション流行る前
   ロリータ好きになってたんだよね。」
日和「そうなの?」
美結「うん、まぁ何が言いたいかっていうと」
美結「俺が好きになったものって
   後から流行ってるんだよね。」
日和「最先端?w」
美結「いや最初は偶然だと思ってたけど
   去年俺がやたら熊好きになった時
   熊流行ってなかったんだけどね。」
美結「今年、いつの間にか熊流行りだして
   服屋も熊で染まってんのよ。」
日和「マジか」
美結「しかも最近俺が初めて迷彩柄とか
   好きになった後に流行ったからねー」
美結「去年、昭和ソングが若者に流行る前
   俺も昭和好きだったんだけど
   最近若者にも流行りだしたし。」
日和「予知能力があるんだね。」
美結「去年は、親と日帰りで観光地とか
   動物園とか行事とか遊びに行って
   クリスマスのイルミネーション見たり
   初めてあんな遊びに行ったんだけど」
日和「うんうん」
美結「あの時から嫌な予感はしていた。」
日和「…」
美結「来年、何か不吉なことが起こるって。
   俺らじゃなくて全体的に。」
日和「なるほど…」
美結「……もし、俺が未来を予知できる才能を
   持っているならば今予知できることは」

美結「俺と日和は、良い死に方をしない。」

日和「………えっ。」
美結「……」
美結「…なんつって!嘘に決まってんだろ?」
日和「嘘でも言って良いこと悪いこと
   あるでしょ!w」
美結「ごめんってw」
日和「ぷい🙎」
美結「…あっ!イチゴミルク売ってる!」
日和「イチゴミルク!欲しい~」
美結「チョロいなwww」
日和「イチゴミルクどこにあるの?」
美結「んなもんねーよ!」
日和「うわーwひどいな。」
美結「ほら、置いていくぞ」
日和「やーだ!待って!」
日和は無言で歩く美結の背中を見ていると
さっきの言葉が過り悲しげな表情で俯く。
美結「…何考えてんの?」
日和「っ…ううん!なんでもない😊」
美結「隠しても俺分かるからな?」
日和「お腹すいたなーって考えてた」
美結「…本当に?」
日和「本当だよ!考えすぎだよw」
美結「……ふーん、まぁ良いや。」
美結「じゃあカラオケで何か食おうよ。」
日和「うん!」
日和は美結の袖をつかんで歩いた。