構われたいだけの、曖昧な決意 | 俺たちに明日はnice!!

構われたいだけの、曖昧な決意

死のう、と思った。

突然、今日死のう、と思った。


なるべく他人に迷惑は掛けたくないので、外で死ぬのは無しだな、と考えた。

飛び降りや、車に飛び込む、電車に飛び込むは無しだ。


室内で死ぬとしたら、何が一番いいだろう。

首吊りは、死体が悲惨な状況になると聞いたことがある。

首筋を切る、と言うのも、かなりスプラッターな死体になるだろう。

なるべくなら、きれいな状態がいい。

彼女にも、両親にも、あまり辛い思いはさせたくない。


昨年の7月から病院に通い、眠剤を処方してもらっている。

自力で眠ることが出来るときは使用していないので、それなりの量が余っている。

これを一気に飲み干せば、あるいは死ぬことが可能かもしれない。


死体も、おそらく眠っているように綺麗だろう。


そんなことを考えながら、死ぬことを決意した。


しかし、それは彼女に構って欲しいだけの、曖昧な決意だった。


「今日、死のうと思う、今までありがとう、さようなら。」というメールを彼女に出したのだ。


こんなことを考えている間、かなり鬱な状況だったので、ベッドの中で半分昏睡しているような状態だった。

彼女から電話が掛かってきたことにも気付かずにいた。

何度か掛けてくれたらしく、何度目かの電話に出てしまった。


「今から直ぐ帰るから!変なことしちゃ駄目だよっ!」

「今日一緒に牡蠣フライ作る約束してたよね、牡蠣フライ食べてから考えよう。」

「一緒に牡蠣フライ食べるまでは死んじゃ駄目だよ!」

「boyaがいなくなっちゃうと、私もやすけも困るんだからね!」


電話やメールで、色々言ってくれた。

でも、半昏睡状態だったので、殆ど覚えていない。


結果、死ぬ前に彼女が帰ってきた。

俺が「迷惑掛けたくない」と言ったので、定時まで仕事をして急いで帰ってきてくれた。


結局眠剤を飲み干すことも無く、混沌とした妄想の中で、過ごし続けていただけだった。


帰宅した彼女はまず俺のところに来てくれて、一安心したらしい。

温かいお茶(俺の大好物)を入れてくれて、料理の下ごしらえに入った。


二人で牡蠣フライを作った。

以前より、巧く揚げることが出来た。

美味しかった。


なぜ、死のうと思ったんだろう。

生きていると、いい事もある。


俺の明日はniceか。