不幸になりたがる人たち | GIRLS AND BOYS

不幸になりたがる人たち

春日武彦著『不幸になりたがる人たち』を読みました。


以下感想でもちょちょいと。


えぇと・・・。


あっ、そうそう。この本、実に「グロテスク」な人が続々と登場するので、心臓の弱い方は避けてくださいね、この本。


でもね・・・


著者の春日さんも言っているように、精神病だの何だの言われる人も普通の市井の人(僕もあなたも)も実は大して変わらないっていうのが、問題を突き詰めていくと分かってしまうんです。


「いやぁ、自分は妻の遺体を床に埋めたりはしないよ」


「さすがにトラに喰われて死のうとは思わないね」


とか思ってませんか?


でも、悪いこと・不幸が起こった後すぐにまた悪いことは起こらないって思ってません?


いいことがあったら、何か次には悪いことが起きそうだとか思ってません?


そうした考えがエスカレートして、「不幸になりたがる人たち」が生まれるわけです。


つまり


先に自ら不幸を被って、これから受ける不幸を減らすという理論を持つ人間になるということです。


でもこれって、人間に備わっている防御機能と人間の性質にも関係してるんです。


<人間はみな、死を欲望する(フロイトのいう「死の欲動」)。その欲望・欲動を実行させないために(死なないために)人は狂人となる>


というのです。


つまり、誰でも狂人となることはあり得るという事です。


しかし、以前伊坂幸太郎著『グラスホッパー』を読んだ時に、鯨という人物の口癖の「人は誰でも死にたがっている」という言葉が気になったということを書きましたが、なるほど、フロイトもそんなこと言ってたんですね。


勉強不足、勉強不足。


しかし、春日さんも書かれていましたが、人間というのは、気持ち悪いというか、面白いというか・・・。


この本に出てくる人々は、実に奇妙ではありますが、世界ビックリ人間ショーに出てくるような人とは一味違った「奇妙さ」があります。


是非ともこの「グロテスクな」人間に直面してみてください。


そして、自分に思い当たることはないか考えてみてください。


きっと、


もっと人間・自分のことが知りたくなりますよ。



春日 武彦
不幸になりたがる人たち―自虐指向と破滅願望