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1万5800人以上が亡くなった東日本大震災から7カ月を迎えようとしている。被災地では今も遺体の身元確認作業が続く。一時、仮設の遺体安置所を埋め尽くした身元不明遺体の棺(ひつぎ)。その傍らには折り鶴が1羽ずつ添えられていた。「遺族の心の安らぎになれば」。被災地に赴いた警察官の思いが他の多くの警察官らにも伝わった。「折り鶴の輪」は広がり、遺族からお礼の言葉が寄せられている。

 警視庁目黒署地域課係長の菅原卓人警部補(35)は、本庁の犯罪被害者支援室に在籍していた3月と4月、宮城県東松島市の体育館に派遣され、遺体の身元確認や引き渡しなど遺族支援に当たった。

 「被害者支援に携わり、大切な人を亡くした遺族の悲しさを自分のこととして感じることができるようになった。派遣にあたり、被災者のために何かできないかと考えた」

 被災地から戻ってきた同僚から、棺の脇に置かれた供花が枯れているとの話を聞いた菅原さんは「花の代わりに棺に折り鶴を入れれば、遺族の心の安らぎにつながるのでは」と思い、折り紙300枚を携えて被災地に向かった。

 の資格を持つ菅原さんは、子供と折り紙でコミュニケーションをとることも多く、折り紙は身近なものだった。

 体育館を埋め尽くす棺。「ショックは大きかったが、自分にできることを精いっぱいやらなければ」と決意し、泥にまみれた遺体や服を洗い、身元確認の立ち会いをした。

 その合間に鶴を折り、棺に置く所持品や報告書が入ったクリアファイルの中に折り鶴1羽をしのばせた。

 葛藤はあった。

 「折り鶴を遺族がどう思うか。いやな思いをする人もいるのではないか」。それでも「今の自分にはこれしかできない」との思いで続けた。

 菅原さんが棺に添えた折り鶴は約60羽。2回目に派遣されたときは、周囲の警察官らが折り鶴作りを手伝うようになり、次第にその輪はほかの遺体安置所にも広がっていった。身元不明遺体は現在、千人余りに減り、折り鶴の数も減ったとみられる。

 「折り鶴を棺に添えてくれた気持ちを、とても大切にしたい」

 母を亡くした遺族から寄せられた気持ちだ。



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