オルタナティブプラン

稚拙な文章で御免なさい。

頑張って書きますのでお読み頂けたら幸いです、とかなんとか言うて、書いてる本人も得体の知らんもんを狂いながら滑滑と書くのだから、救いがない。


ゆるりと更新します。

長くお付き合いできたらなって。

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「いつかわたしはママを殺すと思う。どう殺すかはまだ決まってないけど、たとえばママがベランダで煙草を吸っているときに突き落とすのかもしれないし、ベッドの中で一人寝ている時にコンセントで首を絞めるのかもしれないし。キッチンでお酒を飲んでいる時に後ろから刺すとか、それかもっと単純にお酒の中に何か混ぜて殺すのかもしれない。どれを選んでも、わたしが大嫌いなママの彼氏が殺した様に見せるにはどうしたら良いのか、まだ考えてる途中なの」

 

カメラの前で滑らかに云い終えると少女は、赤いオレンジジュースを喉を鳴らしゴクゴクと飲み干した。シチリアのオレンジジュースらしい。子供が相手だと珍しいと喜ぶのだが、は彼女は例外だった。少し溶けた氷がグラスの底で揺れながら光っている。

 絵本でも読み上げられたみたいだ。少女の発言の中には、一切の感情も躊躇も内包されていなかった。悪意も、だ。

 「つかえねえよ、こんなの。カメラ止めろ」

乱暴に台本が投げられた。呆気に取られていたバイトの学生が、其れを慌てて取りに走る。表紙に雑に書かれた「小○生ファイルpart13」の文字を眺め、彼が深く溜息を吐いた。俺が学生だったら、いくら金に困ってもこんな場所には来ないな。

 「おい桂」

 御呼びだ。

「何ですか監督」

「お前何年俺と組んでんだ」

「5年かな」

「7年だ馬鹿」

「で、何」

「誰がこんな頭のいかれた小学生連れて来いっつたんだよ、何年俺とやってんだ、おい、長い付き合いなんだろ、一年そこらじゃねえんだろ、だったらモデル選びのノウハウくらい承知だろうが。ああ?適当に顔がいいガキの股開かせてた訳と違うだろ、今までだって、なあ。ビジネスなんだよビジネス、ビデオ潰す気か。信頼関係なんだよ客との、これは」

 ご立腹な処申し訳ないが、鼻水を撒き散らす勢いで、鼻息を荒くし怒鳴る様が何とも笑えた。勿論、俺は空気が読める人間なので表向きは無表情を装い、クールにバイト君に目配せをした。お嬢さんを連れ出すように支持をする。

 笑った少女と眼が合った。

「飲み物おかわりしていですか?」

素晴しい娘だ。この状況下で、一番自身のペースを保っている。まだ喚いている監督を制止させ、俺は立ち上がりグラスを受け取った。少女の傍に寄ると、シルクのような長く綺麗な髪から甘い言い匂いがした。

「いま用意するね、気が利かなくてごめん。そう言えば名前を聞いて良いかな、僕は桂。君は?」

別空間に引き込まれた気さえした。黒い輪郭の中で、石榴色を輝かせた静かな瞳を、俺が覗く。その点と点が柔らかに合わさると、少女は屈託のない幼い笑顔に少しだけ嘘を含ませ、俺の深い場所を撫でながら言った。

「メイです」

 俺はメイが大好きだと思った。