今回のオリンピックで採用されなかったのはとても残念な話でした。
不採用に到るまでのストーリーをテレビで拝見しましたが、
乗りこなすことができれば、ボブスレー界に旋風を巻き起こせたかもしれませんね。
さて、今回の問題を私なりにまとめました。
一般の会社でいうところの営業が足りなかったように思えます。
”営業”と言っても、”売る”営業ではなく、
それ以前の段階の活動を意味しています。
一般的に”営業”というと”売る”ことに直結しがちですが、
そうではありません。
よく、”北極で氷が売れる”か否かという論議になり、
気合いとお客の心を掴めばきっと売れると言う人もいるでしょう。
でも私は非常に難しいと思います。
話を戻して、今回の”営業”が指す意味ですが、
これは市場理解という話です。領域でいうとマーケティングに近いです。
先日見た番組で、下町の人がジャマイカのコーチに
”あなたボブスレーに乗ったことあるの?”と迫られ、タジタジになってました。
その後、彼は実際にボブスレーの後ろに乗せてもらうのですが、
確かにコーチのいうことも一理あります。
要はボブスレーの製造に没頭していても、
ボブスレーに没頭していたのか?ということ。
今流行りのカーリングでいうなら、
ミクロの単位でストーンを削る研磨技術で最高のストーンが出来上がっても、
カーリング自体をやったことがないようなもの。
ボブスレー界に深く入り込んでいなかったということを私は指摘したい。
その世界にどっぷりと深く入り込んでいれば、
ジャマイカに元メダリストのドイツ人コーチが入った時点で、
ラトビアのソリを使われる可能性があることは分かっていたはずなんです。
なにせこのコーチはラトビアのソリ会社と非常に深い関係にあることは、
テレビ局の取材で判明したのですから、選手の中では知れた話だったと思います。
実際に下町のソリに乗ったテストパイロットも、
その操作のダイレクトさは認めていましたが、
操縦感覚がシビア過ぎたようで、
その人の言葉を借りれば、うまく乗れれば高タイムが出るかも知れない
逆にうまく乗れないと危険かも。とのこと。
おそらく下町の人々は高度な技術力ですごい品質のソリを製造したんでしょうね。
でも、誰も乗りこなせないくらいのビンビンのソリだったのではないでしょうか?
言葉の壁もあるとは思うので、
世界のボブスレー関係者とそう簡単にお近づきにはなれないかもしれない。
であれば、他に方法はないのか?
私はあると思います。
それはテストパイロットを最低でも2-3年契約すべきだったと。
その人選は学生とかではなく、年はとってもオリンピック経験者だったでしょう。
そうすれば世界のボブスレー関係者にもコネができ、様々な情報収拾ができたのではないでしょうか?
下町の関係者からはソリ自体を無償で貸し出したこと自体に問題があったのでは?と言われています。
だから、ソリを使わないといっても違約金だけで済むから、簡単に乗り換えられた。と。
でも、実績もないソリですから、有償は無理だと思いますよ。
私が考える理想は、
昔のオリンピアンとテストパイロットならびに監修契約を行い、
その人の実績と実際に助走なしの状態でのスタートで計測したタイムをデータにし、
その上で無償でソリを貸し出せば、ジャマイカ以外の国でも可能性があったのでは?と思います。
その監修契約を行う人のレベル次第では、日本が採用したかもしれません。
いいものを作れば売れる!
と信じている技術者さんもまだいると思いますが、
”いいもの”の方向性が間違っていたら、何を作っても売れません。
それをゼロから監修の意味も含めてジャマイカと契約・・というなら、
それは都合が良過ぎたかもしれません。
ある程度までは完成度がないと、”なんでも言ってくれれば、あなた好みに作ります”
というのはよろしくないです。そうなると選手は何でもソリのせいにしてしまいます。
選手が努力する部分と製作者が努力する部分の線引きは曖昧であってはいけません。
ボブスレーのような道具が結果に影響するウエイトが大きいスポーツに参入するは厳しかったかも。
以前BMWがサーフボードを作りましたが、誰も見向きしませんでした。
その時すでにボード業界はマシンシェイプと言ってコンピュータを駆使した
シェイピングが可能で、流体力学などの理論も業界では皆理解していたので、
BMWの何が新しいの?と思ったのです。案の定、それほど大差のないボードを作り、
BMWだからボード価格が高価だったので、すぐに世の中から消えました。
”そんなもの素人が作れるわけないだろ、ボブスレーなめんなよ!”
という世界に自ら恥をかいても飛び込み、情報を吸収しなければ、
今後も厳しいと私は思います。