バスツーでの名物はスポンサー店への立ち寄りである。宝石店やら鮮魚市場やハーブ園やら布団の販売店までと幅広い。

 

今回のスポンサー店は家具屋さんだ。別に、スポンサー店の話を聞きたいわけではない、家具に興味は全くないが、強引に連れて行かれるので話を聞くことに。早速ベッドの説明を受ける羽目に。

説明上手なおじさんがベッドと健康の関係(腰痛やら安眠やら)についてユーモラスに語る。

 

その後、別室でベッドへの試着ならぬ試乗コーナー。ここでも強引にベッドに寝かされ「腰が楽になったでしょう」とか「体が暖かくなってきたでしょう」とかこちらが感じもしないことを言われ暗示にかけられる。そして、最後に、このベッド100万円ですが本日の特別価格で90万円ですなんて説明される。

 

試乗してどうでしたかと聞かれると、仏門に身を置く身として仏教の無財の七施の言辞施が口から出る。「いやー、気持ちいいベッドですね」と。言わなきゃいいのに。相手は今日が値下げの最終日です。絶対に腰が楽です首が楽です。などと畳み掛けてくる。こっちは首が回らないんだよ。

 

家に帰って考えて連絡しますと言うと契約は今だけです後では、値段が上がりますと。こちらに考える余裕を与えてくれない。しかし、百円、千円の買い物ではない。90万円だ。それをこの場で即決しろとは。

 

バスの出発時間は迫る。困った時の釈迦頼みで、早速、自問自答でお釈迦さんに相談すると。本当に必要かどうかもう一度じっくり考えろと。とても快適であったベッドであるが、即決はできないじっくり考えて結論を出すことにしたと販売員さんには伝えた。

 

どんなにいいものであっても、高額な商品に即決を迫るのはどことなく胡散臭い。