大学の同級生は、半分は歯科医師や医者の子弟であった。残りの半分は、医療機関以外の子弟であったが私立の歯科大学に通わせる財力がある家庭には間違いない。

 

多くのものは、歯医者になることが目的であるから1、2年時の教養科目はほとんど勉強せず、3年生からの専門科目になると目の色を変えて勉強していた。わたしは親の言われるままに歯科大学に入ったようなものなので、教養科目は受験の延長ばかりと一生懸命に勉強したが、専門科目はあまりやる気がなかった。毎日、運動系のクラブが楽しみであった。

 

卒業するまで、卒業後はどんな仕事(歯医者以外)につこうかとそればかり考えていた。どうにかこうにか国家試験にもうかったものの、歯医者に成る気は全くなかった。自分一人が歯医者になったとて虫歯は減らない、どうせ虫歯を減らすなら多くの人を対象にしたいと思い行政の道に進んだ。

 

そして40年近く公衆衛生行政をやったが、果たして市民のためになったのか。歯科保健状況も40年前とは違って格段と良くなってきた。

 

同級生のほとんどが開業し、立派な診療場を経営し地域に貢献しているという話を聞くと羨ましくもなる。しかし自分には公衆衛生とご縁があったのだろう、わが人生を嫌なものとは思わない。公務員生活で、お金にはあまり縁がなかったが、歯科関係者やそれ以外の一般の人たちと数多く付き合えてとても良い職業だったと今更ながらに思う。合掌