楽しい話題をお届けしたいのですが、その前にどうしてもお伝えしなければならない事があります。
昨年の11月、ひまわりの家に七匹の子犬とやってきたナンシーが、今日の朝亡くなりました。
最後まで残っていた子犬二頭が、無事新しいお家の方に引き取られた数日後の出来ごとでした。
ナンシーは、防空壕でたった一人、七匹の子供を出産し、子供と共に保健所に捕獲されました。
まだまだ乳離れ出来ない子犬達と母親は、保健所の判定を一か月ほど遅らせて頂き、それから母子ともにひまわりへやって来ました。
子犬が七匹もいるとケージが狭くて。
また全員が休むことなく動き回るからなおさらの事。
それでもナンシーはいつも穏やかに子犬に接していました。
知らない人には警戒して吠えるナンシーですが、スタッフが子犬を触って世話をする事に不安そうにしたのは少しだけ。
怒ることなく任せてくれました。
しかし、ナンシーはひまわりに来た時から辛そうな咳をする事がありました。
散歩も短距離でぜぇぜぇと苦しそうな息をしました。
健康診断の結果は重度のフィラリアでした。
薬で散らす事の出来ないほどに成長したフィラリアが体内にうじゃうじゃいて、これを捕るには手術で釣りだしていくしか無いそうです。
体力を温存させるため、すぐに子犬とケージを離しました。
最初は子犬と離されると不安そうなナンシーでしたが、近くにケージを置いてあげると安心して過ごしていました。
失敗に終わりましたが、二度ほどフィラリアの釣り出しに挑戦もしています。
そのため、首に手術痕があり、首輪ではなく赤いハーネスをつけていました。
このハーネスも、毎回ケージに入れる時は外し、朝繋ぐ時にまた付けていたのですが、本当にお利口さんにつけてくれました。
ケージから少し出てもらい、足を一歩一歩入れてもらう。
その間、逃げようと思えば逃げられるでしょうに、こちらが押さえなくても大人しく協力してくれました。
お陰でとっても楽をさせてもらいました。
いつも優しい目をして、真面目な顔で座っていました。
人が来ると警戒して吠える事がありましたが、意外と低く太い声で、最初はびっくりしたのを覚えています。
犬に対しても、ちょっと強気でした。お母さんは守る物が多くて大変です。
ナンシーの子犬は、4匹が短毛、3匹が長毛の似てない兄弟でした。
じつは、犬や猫はお腹の中に同時に二人のお父さんの子供を宿す事ができるそうです。
これも、ナンシーに教えてもらいました。
そして、短毛の子から、段々と新しい家族に出会い旅立って行きました。
譲渡会でも、ひまわりの家でも、ナンシーの子犬は人気者でした。
そして、最初に書いたように、最後に残った長毛の二匹の兄弟は、一緒のお家に引き取られて行きました。
子犬が皆いなくなり、次は早くフィラリア治してナンシーが幸せになる番だ!と思った矢先の出来事でした。
子犬が全員旅立ち、ちょっと気が抜けたのかもしれません。
もしくは本当に自分の身を削って、子犬の幸せを願っていたのかも知れません。
本当は、フィラリアで弱った身体で七匹の子犬を産み、育てることが無茶だったのかもしれません。
でも、ナンシーはそれを見事にやってみせました。
母は強し、という事を、教えてくれました。
虹の橋を渡り。
空からなら、色んなところへ旅立った子犬達を、全員見守ってあげることができるでしょう。
ナンシーが残した子達が、どんな風に成長するか私も楽しみです。
先に行っているニームとも、ナンシーなら仲良く出来そうな気がします。
チョコちゃんとも、会えるでしょうか。
お母さんの愛情を知っている子犬達は、きっと幸せになります。
七匹もいると大変かもしれないけど、上から見ていてあげてね。
本当にお疲れ様でした。
譲渡会会場で、ナンシーのお葬式代募金を募っているそうです。
本日もご寄付を頂き、ありがとうございます。
ナンシーが安らかに眠れますよう、ご協力頂ける全ての皆様に感謝致します。