トンボが来た!
子供が学校から持って来たヤゴ
。
これから どうしようかと悩ませてくれたヤゴ。
ヤゴはトンボになると言うが、こんな気持ち悪い物がトンボになるなんて いまいち信じられなかった。
ところが、早朝、ヤゴに変化が!
ヤゴは孵化する時に木の枝に登ると言う。
その通りだ。
剣山に刺してあった木の枝に登って、逆さになって脱皮のような形になっていた。
まだ この段階ではトンボの兆しは見えない。
トンボらしき姿にはなっているが、色もなく、羽もくっついて しわしわである。
向きを変え、自分の抜け殻にしがみついている。
風が吹くたびに抜け殻が揺れるのだが、足を動かしながら抜け殻にしがみついている。
羽が ぴんとしてきて トンボ自体も色づいてきた。
もう、ここまで来たら トンボに見える。
でも、動かない。
飛ぶ気配もなく、時間だけが過ぎる。
しかし、いつまで経っても飛ばない。
羽もまだ弱々しく、飛べるような堅さの羽ではなさそうだ。
子供が帰って来たらトンボになっていてビックリするに違いない と思い、木に止まったままのトンボを玄関の中に入れた。
玄関の中に入れても動かない。
ずーっと 見張っている訳にもいかず、結局 そのまま出かけた。
トンボになった日、子供のオープンスクールだったので、夫と2人で学校に向かった。
帰りは子供と三人で帰って来た。
トンボになった事を子供に話すとビックリしていた。
玄関のカギを開ける時 トンボが飛び出してくるかもしれない。
覚悟を決めて身構えた。
ところが、どこにトンボがいるのやら、全然見つからない。
夫が隅にいたトンボを見つけ つかまえようとしたが、トンボは気力があるのか、ないのか羽音が弱々しい。
このトンボ、何トンボなのだろう?
あまり見た事のないトンボだった。
いよいよ玄関のドアを開けて トンボを逃がしてあげようとする。
先ほどまでは 羽音も弱々しく、飛ぶ気配も感じなかったトンボだが、ドアを開けて風を感じた途端 勢いよく飛び立った。
トンボは高く高く 風に乗って飛んだ。
子供は空を見上げて言った。
「行っちゃった」
トンボは あっという間に姿を消した。
最後に子供が
「あんな気持悪いヤゴが トンボになるなんて不思議だねぇ」
と言っていた。
私も夫も初めてヤゴからトンボになるところを見たが、なかなか有意義な体験をさせてもらった。




