伊豆の山中でラーメンを食べていた。
ここは、古民家風の道の駅。
食事を終えて、トイレに。
ここから海側に下りて、今夜は温泉泊だ。

トイレの扉の前で、いきなり揺れた。
「地震!デカイ!」
慌てて店内へ戻る。
が、何故か誰も気がついていない。
「地震だよ~!」
「え?」
「ほら、箪笥も倒れてるよ!」
「あ、本当だ」

そう、ディスプレイの和箪笥などがどんどん倒れているのだ。
外へ!と思ったが、いつの間にか外は豪雨。
店内からガラス越しに、滝のような雨と風に狂舞する木々が見える。

どうしようか?と思う間もなく外からアナウンスが聞こえた。
「危険な状態なので、ここで待っていてください」
どうやら、消防か警察が来ているようだ。

だが、ここにいちゃダメだ!山を降りろ!と内なる何かが叫んでいた。
「早く、ここを出なくちゃ!」と外へ出た。

駐車場に向かうと一台の車が入ってきた。
その車が来た方向は、これから向かおうとしている海側だ。
状況を聞いてみようと近づいた。
「途中の状況はどんな感じでしたか?」
「同じような感じですが、まだ大丈夫です」

やはり行くしかないな、と決心しかけた時今度は、こう聞かれた。

「あの~、これに来たんですけど、この雨でやるんでしょうか?」
ん?
渡された一枚のチラシ
「採りたて野菜の販売、玉ねぎ、大根等を云々…」
「あ~、畑の状態次第じゃないですかね~。
あちらにお店の方がいるので聞いてみたらどうですか?」
と、妙に冷静に返答。

さて、行くか、と動こうとすると…

  続く~