2020年4月の改正民法(債権関係)の施行が迫ってきまして
結構あせってきました。
なにせボリュームが多いので,重い腰をあげて
先週から本格的に勉強を開始しました。
民法をこれだけのボリュームでまとめて勉強するのは
試験勉強以来です。
やってみるとこれが結構楽しい!
普段,いかに仕事でアカデミックな頭を使っていないかってことでしょうね。
さて,今回の債権法の改正は,基本的な考え方が数多く変更になっておりまして
担保責任もその一つですよね。
改正前の通説だった法定責任説から契約責任説の立場への変更がなされましたし
瑕疵から契約不適合への変更もありました。
個人的には改正法の方がスッキリ整理できてわかりやすくなったなと感じております。
買主(債権者)が担保責任(契約不適合責任)を追及するメニューとしては
次の4つが用意されています。
①追完請求(改正民法562)
②代金減額請求(改正民法563)
③損害賠償請求(改正民法564,415)
④解除(改正民法564,541,542)
今回はどういう場合にどのメニューが使えるのか
について整理した表を作ったので,アップしておきます。
使っているテキストにはいろいろわかりやすいなぁと思う表が
あるんですけど,著作権の関係で公表できませんので
個人的に作ったときにだけアップしようかなと考えております。
改正法は,契約責任説になったので,債務者の帰責事由が
要求されるようになったと,解説書の冒頭には書いてあったりしますが
表にしてみると債務者に帰責事由がなくても認められる手段が
多いですね。
債権者に帰責事由がなければ追及できる手段が多いというべきか。
もっとも,「売主が契約内容に適合しない物を…買主に引き渡した場合
において,売主に帰責事由がないことが立証できるケースは,
よほど特殊な事情がない限り,実際上は想定しがたい」
(「重要論点 実務民法(債権関係)改正」286頁)
との指摘もありますので,実務上はあまり影響はないかもしれません。
それではまた!