今回のケースはこうです。
3/31に株主総会の決議により解散した株式会社が
6/1に清算結了したとして登記申請したところ
清算結了は早くても6/2じゃないでしょうかと
法務局から補正の連絡がきました。
まずはいつもどおり条文を見てみましょう
会社法 (債権者に対する公告等) 第四百九十九条 清算株式会社は、第四百七十五条各号に掲げる場合に該当することとなった後、遅滞なく、当該清算株式会社の債権者に対し、一定の期間内にその債権を申し出るべき旨を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。ただし、当該期間は、二箇月を下ることができない。 |
この条文があるため,(旧商法時代のですが)先例に次のようなものがあります。
株式会社の清算人が、その就職の日から2か月内にする清算結了の登記申請は受理できない(以下省略)。 (昭33.3.18、民事甲第572号民事局長心得通達・先例集追Ⅱ656頁、登研125号39頁、月報13巻4号60頁) |
そうすると,今回は3/31付で解散し清算人も就任していますので
ん?2か月たってますけど・・・・WHY?
しかし,よく話を聞くと,こういうことのようです。
2019年の3/31は日曜日だったのですね。
そして,官報公告は,土曜・日曜・祝日と年末年始以外は毎日発行されます。
そうすると,どんなに早くても官報公告は4/1(月)にしか出せないことになります。
清算期間の起算日に関する先例があります。
商法第421条第1項ただし書に規定する期間の起算日は、第1回の公告の日の翌日から起算するのが相当である。 (昭58.6.15、民四第3,405号民事局第四課長回答・先例集追Ⅶ138頁、登研431号246頁、月報38巻12号131頁) |
したがって,起算日は官報公告日の翌日になります。
そうすると,今回のケースでは
起算日 4/2(火)
応当日 6/2(日)
となるため,応当日の前日6/1(土)の24時で
2か月の期間が満了となります。
よって,清算結了日はどんなに早くても6/2(日)になる・・・。
オーマイガー!
こんなことがあるなんて・・・今まで考えたことなかった。
このケース,たまたま 6/1が土曜日だったため
申請は6/3(月)にしていたので,
却下は免れましたが,もし6/1が平日だったら
迷わず6/1に申請していましたので,登記原因発生前の申請は
補正は不可能なので,却下は免れないところでした。
いやいや,それにしても司法書士の仕事は細かい仕事ですなー。
それをチェックする法務局の仕事も細かくて大変!!
民法の期間計算の条文
第百四十条 日、週、月又は年によって期間を定めたときは、期間の初日は、算入しない。ただし、その期間が午前零時から始まるときは、この限りでない。 (期間の満了) 第百四十一条 前条の場合には、期間は、その末日の終了をもって満了する。 (暦による期間の計算) 第百四十三条 週、月又は年によって期間を定めたときは、その期間は、暦に従って計算する。 2 週、月又は年の初めから期間を起算しないときは、その期間は、最後の週、月又は年においてその起算日に応当する日の前日に満了する。ただし、月又は年によって期間を定めた場合において、最後の月に応当する日がないときは、その月の末日に満了する。 |