
むかしむかし今から30年ほど前のこと。 一人の女の子が、米国の大学卒業を目前に、意気揚々と東京で就職活動をしていました。
その日の面接先は、あの有名な「S生堂」。 数人の面接官に囲まれ、今で言うところの圧迫面接を受けることになります。
「実家は東京?」 「米国帰り?」 「……で?」
透けて見えるのは、古き良き(悪き)日本の、強固な男尊女卑の壁。主に女性向けの商品を企画販売している会社がこれか?と内心愕然。
しばらくして、その女の子——若き日の私は、静かに、しかし確実にキレました。
「もう、もう結構です。ありがとうございました!」
そう言って席を立ち、帰宅。 後日、実家に一本の電話が入りました。
「呆れて開いた口がふさがりません。あなたのような子は、どこに行っても大成することはないでしょう!」
お叱りのご連絡をいただいたのです。
それから30年。 私は今、S生堂の株価を眺めながら、「ふふんっ♡」と思っています。今のS生堂の苦戦。あの時に感じた「組織の硬直化」は、30年以上前からすでに始まっていた——今の数字が、そう語っている気がします。
一方で、当時「こいつ面白い!」と個性を面白がってくれたソニーのような企業は、今も堅調。
ただ、あのS生堂人事担当者の予言は、ある意味で正しかったのかもしれません。 今 私は米国企業の組織の中で普通の役職につき「ガラスの天井」に頬っぺたをくっつけて もがき、後ろからはクビの足音が迫ってもきている。
もし 今の私が、あの日の私に声をかけるとしたら。世の中の理不尽をまだ知らなかった私にきっとこう言うと思うんです。
「オマエは黙って座っとけ!」
相手がどれほど傲慢であろうとも、苦手であろうが その場の空気を最後まで引き受ける。 それが、当時の私にできた唯一のことだったと思うから。若気の至り 過ぎる話ですよね。
今日も私は冷たいガラスの天井に頬を寄せながら戦い続けています。











