あんまりね、書き手が最初っから
「ホントにおもしろかった!」
とか書かないほうがいいんですよね。
ブログや本は、もっと言うと文章というのは、
"読む人が体験してないこと、もしくはまだ知らない事柄をキッチリ伝える作業"
というものです(知りませんが)。
なので、書いてる側が詳細も伝えずに
「マジおもしろかった!」
とだけお知らせする文章なんて、そのおもしろさは1ミリも伝わりません。
場合によっちゃマイナスプロモーションです。
で、今回探究学舎さんで授業をさせていただいたんですが、
マジでおもしろかったです!!
なんにも伝わってないの重々承知の上で言わせてください。
マジおもしろかった!!
「語彙力ww」ってやつですね。
以前もお邪魔した探究学舎さん。
塾っちゃあ塾なんだけど、「学校の成績やテストの点を伸ばす」なんてことに力を注いでない。
こんな感じのとこ↓
「探究心に火をつける、興味開発型の学び舎」
ていう理念のとこなんですね(探究学舎←ホームページ見てみて。おもしろいから)。
で、今回僕が請け負わせていただいた授業がこれ。
「戦国英雄編」
てタイトルの授業です。
厳密に言うと、「戦国英雄編」の授業は以前にもう終わっていて、今回は房野を加えての"おかわり編"。特別編てことですね。
上の画像はKeynoteのスライド一発目ですが、なんかもうワクワクしませんか?
こんなのとか、
こんなのとか。
見てるだけで楽しめるKeynote。
スライドも内容も、ぜーんぶ木元先生(←探究の先生。超優秀な24歳)に作ってもらって、房野はそれをしゃべらせてもらいます。
全体の内容は、
前半、房野の話。
後半、謎解き。
というもので、後半に
完全オリジナル戦国謎解き
が、用意されてるんですね。
前半、房野が話すことをヒントに、後半はクオリティハンパない謎解きをやる。
このシステムを最初に木元先生から提案してもらったとき、「わ!おもしろそう!」とすぐに乗っかりましたが、当日を振り返ってる今、あんなに盛り上がって、あんなによくできてる教育イベントの流れ、なかなかないなーと感服しちゃってます。
探究学舎さんでは普段から謎解きを取り入れてるので、木元先生とスタッフの方が作る謎解きは……もう一回言っときますが、
クオリティハンパありません。
そして、迎えた当日。
打ち合わせのため早くに入った僕は、その打ち合わせも早々に切り上げ、近くにいた男性とおしゃべり。
房野「そのMac自分のやつ?」
男性「そうです」
房野「うわ!Keynoteすごいの作ってるじゃん!」
男性「全然すごくないですよ。まだ出来てないですから」
房野「そうかなー。けっこう完成されてるけどなー。てかこのMac何年モデル?オレと一緒かな」
男性「2011のやつで、2年くらい使ってます」
房野「あ、オレ2015年で3年くらい。2、3年使ったらさ、新しいのほしくならない?」
男性「なりますねー!」
房野「この前さ、MacBook販売終了したじゃん。ならMacBook Air か、Proじゃん。でもオレ動画編集とかはやらないからやっぱProじゃなくていいよね?」
男性「たぶんMacBook Airがいいんじゃないですか?じゃちょっと見てみましょう。(サイトを開いて)……あ、Touch IDついてますね。ストレージは…なるほど。。バッテリーは、ワイヤレスで12時間なんだ」
房野「え、これは?」
男性「これは7、8時間かなぁ」
房野「全然違うね!」
初対面だったけど、まるで以前から友達だったように、「新しいMacを買うならどれ?」の会話がすっごく楽しかった。
ただ、僕が38歳で、彼が11歳なので、2人が探究学舎以外でこの会話をしてると、
「親子…?の割には友達みたいな感じでしゃべってんな……どんな関係性?」
と違和感をもたれたかもしれません(年齢差27歳)。
余談ですが、11歳の子が使うちゃんとした敬語って、なんかアンバランスな感じがあって、かわいくないすか?
さらに、それに感情がのっかると……
男の子と会話してたら、ママがやってきてですね、
ママ「なんかすみません房野さん!」
房野「いえいえ」
ママ「ほら、〇〇(名前)。この人が「徳川家康」書いた人だよ」(←僕、ちょっと前にFacebookやnoteで「徳川家康」の解説を書いたんです)
てなことを言うと、その子が「え!」というリアクションのあと目を見開いて、
「見させていただきました!」
ですって。
ムチャクチャかわいくないすか笑
ホント、おもしれー子がゴロゴロいます。
さて、会話に夢中になりすぎてたら、もう会場移動の時間。
今回、本当に嬉しいことなんですが、イベントへの申し込みが即完して、80名以上の親子が参加されるということなので、大きな別会場を借りたんですね。
近くにある産業プラザってとこが今回の会場。
雰囲気こんな感じ↓
※これは後半。謎解き頑張ってるみなさんの様子です。
で、本番スタートです。
今回取り上げたのは、みんな大好き
織田信長。
ざっくりとした内容は、
「織田信長の真の姿とは?」
といったものです。
「みんなが知ってる織田信長ってどんな人?なるほど、そうだよね。でも実はね……」
みたいな話を展開していくんですが、これって信長がやったことを大体わかってないと成立しませんよね。
でも、そこがこの探究学舎にいる子たちのすごいとこです。
ほとんどの子どもたちが「戦国英雄編」の授業を受けているっていうプラス、歴史が好きな子が多いんで、信長のこと……いや、戦国武将に関する知識はまったく問題ありません。
房野「信長が鉄砲をいーっぱい使った戦いと言えば……」
みんな「長篠の戦いーーー!!」
といった具合に、こんくらいのレベルの問いなら全員から間髪入れずに大合唱がかえってくるんですよ。
歴史嫌いな大人よりも、確実にこの子たちの方が戦国に詳しい(マジで)。
しかし、「実は信長ってホントはね……」
という話題に入ると、驚きの表情があちこちで見受けられるようになります(これもまたかわいい)。
そこに
「『桶狭間の戦い』一つとっても、いろんな説があって、それをちゃんと理解するためにはさ……」
という話しから、
「これ、なにが必要だと思う?」
という質問を投げかけてみたんです。
そしたらまぁ手が挙がること挙がること。
思いついたのを言いたくてしょうがない。そして、答えをあててみたい。
嬉しくなった僕も「じゃ、そこの女の子!」と最初にあてた子からかえってきたのは、
「DNA!」
とうものでした。
そのまま「DNA!?」とおうむ返しするくらいビックリしましたが、おもしろいし、ある意味正解だし100点の発言ですよね。
そのあとも、
「なまくび!」
とか、予想できない答えのオンパレード(ちなみに答えは、みなさんで考えてみてください)。
ほかにも
「信長に関して、僕らが一番誤解してる、間違ってたとこって、どこだと思う」
という質問すると、
「そもそも織田信長なんていなかった!」
「いや、怖い話すんな!じゃ次は、あなた」
「信長はおばけだった!」
「だから怖い話するなって!笑」
フリに対しての綺麗なボケ(本人は真剣な可能性あり)。さらにかぶせ、といった、大喜利コーナーの流れを彷彿とさせてくれます(そりゃ会場盛り上がります)。
質問しても、テーブルごとに話し合ってもらっても、
おもしろい答え、突拍子もない回答、鋭い意見、
ホントにさまざまな声が飛び交う。
この空気感はなんでしょうね。
子どもたちはいきいきとしていて、遊んでる感覚に近い。
たぶん会場の中にも「勉強は嫌い!」って子はいっぱいいたと思うんですが、僕が話したおよそ45分、つまり子どもたちがふざけたり、一生懸命考えたりしながら受け取った45分の、
知識量、情報量、信憑性
って、学校の授業とは比べものになりません。
かなり歴史好きじゃないと、知らない話。大人でもほとんどの人が知らない情報ばかりです。
べつに「レベルが高いからすごいだろ!」とか「学校での勉強なんて役に立たない!」なんてことを言いたいわけじゃなくて、
"真面目に受けることを前提としている授業より、「ふざけて楽しんで参加してね」という場のほうが、獲得できる知識も自ら思考する姿勢もはるか上のレベルをいってる"
って、なんか不思議だなって思っちゃったんですよね。
そして、後半は親も子どもも必死になる謎解き。
テーブルによっては、お母さんたちの方が真剣になりすぎて、
「くそ!この問題に時間かかりすぎた!!」
という発言が飛び出すほど。
ママがしっかりと「くそ!」と言うのを目撃する機会はなかなかないので、バリバリ笑いました(チャーミングですね)。
制限時間が迫る中、僕のもとに子どもが近づいてきて、
「あと何分ですか?」
「ん、2、3分じゃない?」
「あと6分ください」
というお願いにも笑わせてもらいました。
なんで6分だったんだろう笑
ハイクオリティの謎解きを、どんどん解いていく親子のパワーもこれまた圧巻で、クリアしたチームがいたことにもかなりの驚きです(僕自身は絶対無理なので)。
そんなこんなの大盛況イベント。
最後の締めは僭越ながら房野からの一言です。
このメッセージは伝えておかなきゃなと思い、再びマイクを取ります。
「みなさん、本当にありがとうございました。今日探究学舎で学んだことは、『今わかってる研究結果』です。僕らが子どもの頃からの常識が変わったように、ここからまた、新たな発見があれば……」
と、カッコよく締めてやろうと思ってたら、
さっき「おばけ!」とか答えてた男の子が、小学校2、3年生くらいかな?その男の子が急に、
「明日には歴史が変わってるかもしれない!」
という名言をぶち込んできたんです。
もちろん会場大盛りです。
全部もっていかれました。
もうこっちも爆笑です。
みなさん、日本の未来は確実に明るいです。
僕、歴史の解説本書いてるので、よかったら。