こちらに2枚の写真があります。




一見なんの共通点もなさそうな、この2つの写真。

ですが……。



1枚目の写真は、5/4に静岡の
に呼んでいただき、出演後に撮ったもの。

今川復権まつり←こんな感じ!)



今川っていうのは、今川義元のことです。

「なんとなーく名前聞いたことあんな」
って人も多いんじゃないでしょうか。
戦国時代、静岡にいた大名で、たぶんみなさんの中では、

「桶狭間の戦いで、織田信長にやられたあいつ」

として、記憶に残ってることかと思います(「初耳!」って人もいるかもだけど)。

タイトルの中に『復権』と入ってます。
権利や資格を取り戻そうとする、つまり、
「マイナス、、からの……!」
ということですから、それを掲げるお祭りも珍しいですよね。

それでも、こちらのタイトルをつけられた方のお気持ちは十分わかります。
おそらく、
「今川氏の世間的なイメージをいいものにしたい!」
という思いがあってのことでしょう(確定じゃないですけど)。

今川義元って人は、さっきも言いましたが、「織田信長に負けた」ということで有名です(一般的にはね)。
ドラマや漫画で描かれる今川義元は、ポンコツやマヌケそのもの。

構図としては、

織田信長=若くて優秀で、カッコイイ。
今川義元=なにも考えてないおっさんで、ダサい。

といった感じでしょうか。
教科書に載ってる「桶狭間の戦い」までもが、

「織田なんか余裕で倒せると思ってた今川義元は、休憩中に酒盛りをしてしまい、結果信長に奇襲でやられた」

という、ハードなウサギとカメみたいな伝え方をしてるんですから、仕方のないことかもしれません(今の教科書がどんなのかはさておいて、僕らアラフォーまではそんな感じでした)。

今川義元が「桶狭間の戦い」で負けた。これは事実です。
ただ、戦いの中身は、奇襲なんかじゃありません(最近の説では)。
ハッキリ言って「桶狭間の戦い」の最初から最後まで、今まで言われてた内容とまるで違う(最近の説では)。
それを書いてたらちょっと長くなるんで、詳細はまた別の機会に委ねますが、「桶狭間の戦い」とともに、今川義元さんの本当の姿も、これまた一般的なイメージと大きく違うんですね。

今川義元。超絶すごいです。

本人の能力値、国の経営力、軍事の強大さ、どれをとっても当時トップクラス。
いや、トップの可能性さえあります。
これも書くと長いんで、別の機会に委ねまくりますが、本当にすごい戦国大名だったということだけは確かです。
考えてみりゃ当たり前なんですよね。
信長さんがポンコツな武将を倒したところで、なんのインパクトもないし、その戦いがこんな後世まで語り継がれることにはならないはず。
義元さんがすごすぎて、「それをまさか倒したの!?」ってことで、織田信長はスターダムにのし上がったんですから。

で、

そんな今川さんのダメなイメージを払拭したいということで、「復権」というワードが盛り込まれたんです(おそらくもおそらく)。

今年2019年は、今川義元公が誕生してから500年目(今川義元の生誕は1519年)。
その節目として、


というプロジェクトが立ち上がり、その中の一つで、

今川復権まつり(5/3〜5/6まで開催中)

というイベントが行われている。ということだったんですね(お祭りのバックボーン紹介で思わぬ時間がかかりました)。

で、ありがたいことに、僕らロクモンジャー(という「歴史好き芸人ユニット」)のメンバー
犬の心いけさん
ロバートひろしさん
ブロードキャスト!!房野
が、こちらのお祭りに呼んでいただき、トークショーをやってきたという次第です(ロクモンジャーは全部で6人います)。


左から房野、いけや、ひろし。



おそらく面白いことを書いたひろしと、おそらく面白いことを書いたフリップを持ってるいけやと、おそらく軽快にツッコんでいるであろう房野。


立見まで出たステージ。


絶対じゃんけん大会をやっているであろう図。



上記のような今川さんのすごさを、トークやゲームで伝えたところ、会場のみなさんのあたたかい受け入れ態勢のおかげでイベントは大盛り上がり。
ご来場のお客様に本当に感謝です。
ありがとうございました!


さて、そんな大盛況イベントのトークの中で、僕はこんなことを言いました。

「今川義元さんはホントすごいんですよ!以前も歴史学者の小和田先生が『今川義元は、名だたる戦国大名の中でも、天下統一に一番近い実力をもっていた」とおっしゃってたぐらいですから!」

小和田先生というのは、僕が子どもの頃からご活躍されてる歴史学者の先生。
静岡大学の名誉教授で、今までも大河ドラマの時代考証(歴史アドバイザー的な)をたくさんやられてる、すげー人です(来年の大河ドラマは、明智光秀が主人公で『麒麟がくる』というタイトルのものなんですが、こちらの時代考証も小和田先生がやられてます)。

子どもの頃から先生が監修されてる歴史の漫画を読み、大人になった今でも先生の本を読んでる房野ですから、カンタンに言えば僕にとっての
ヒーローですよね。

僕は、小和田先生と一度だけ、もう何年も前にライブをご一緒させていただくという奇跡を体験しており、そのお人柄にも触れております。
ホントに、、とにかく優しい

ですから、もう完全体なヒーローです。


そんな先生も、今回の
「今川義元公生誕五百年祭」に参加され、別日に違うイベントでご登壇されるという情報は入ってきております。

小和田先生が関係されてるのなら、「是非これは言っておこう」と思っての発言だったわけです。


が……。


持ち時間が終わり、ロクモンジャーの3人が舞台から降りるやいなや、


「お疲れ様でした!」


と声をかけてくださる「今川復権まつり」のスタッフの方。


「お疲れ様でした!ありがとうこざいました!」


と返すロクモンジャーたち。

続けざまにスタッフの方が放ったのは、


「房野さん、小和田先生いらしてます」


の一言です。




ん?



いらしてます?



小和田先生……?



え?




房野「え!?」


やっと声になりました。



うそ!?

違う日じゃないの!?

いや、自分が「今川復権まつり」の全タイムテーブルを把握してるわけじゃないし、ありえる!

それにしてもえぇ!?



スタッフの方「ご挨拶されますか?」



するするするするするするする!!!!!

する!!!


房野「はい!是非!!」


むちゃくちゃにテンション上がりましたが、駆け出したい気持ちをグッとこらえました。

なぜなら先生がどこにおられるかわかんないから。


スタッフの方に案内していただき、先生がおられる控え室のテントに向かいます。


房野「いやー、ホント嬉しいです。まさか先生にお会いできるとは」
スタッフの方「え? 房野さん、先生がおられるのご存知なかったんですか?」
房野「はい。違う日にイベントをやられるのは知ってたんですが、今日お会いできるとは思ってませんでした」
スタッフの方「え、そうなんですか?てっきりご存知かと思ってました」
房野「?? なんでです?」
スタッフの方「いやー、さっき先生が控え室を出られて、ステージの様子をご覧になったんですよ。そのときに房野さんが先生のお話をされ始めたんで、『あ、先生の姿が見えたんだ。だから先生の話しを…』と思ったんです。だから芸人さんのアドリブってすごいなーって」



なんだその神のおり方は……。


まさかでした。

僕には、小和田先生のお姿なんて1ミリも目に入ってきていません。

なので、本当に恐ろしいほどの偶然。

知らないうちに奇跡を起こして、しかも勘違いから実力を評価されていました。

でも、渾身の

「マジすか!!?」

を返したので、機転のきいたアドリブじゃないことは速攻でバレたでしょう。
「いやーそんな大した事はないですよ」とか言っておけばよかった…。

スタッフさんの中では、
"アドリブのきく芸人"
から
"ただただ偶然を起こした男"
に変換されたはずです。



しかし、ビックリです。
そんな驚く偶然もあり、僕はますます駆け出したい気持ちになりましたが、グッとこらえました。

なぜなら先生がどこにおられるかわかんないから。


やがて、先生のおられるテントへ到着。


スタッフの方「先生、ご挨拶よろしいでしょうか?」
先生「はい、はい」


おお、小和田先生だ。

はやる気持ちをおさえ、最初に発する言葉は決めてました。

ライブでご一緒したとはいえ、一度だけです(厳密に言えば、その前に一回お話する機会はあった…ものの)。

まずは「数年前にお世話になった者」ということを名乗らなければ……。


房野「あ、先生、、数年前にライブでご一緒させていただいた、ブロードキャスト!!房野と申します」


という僕の言葉を受けた先生は、そのお顔をクシャっとさせながら笑いかけてくださり、


先生「覚えてますよ〜」


と、返してくださったんです。


え、マジで!!!?

です。


房野「本当ですか!?」
先生「えぇ。あの、高円寺か阿佐ヶ谷でやりましたよねぇ?」
房野「そうですそうです!! うわ! ありがとうございます!!」


場所まで覚えてくださってる(ちなみに会場は「阿佐ヶ谷ロフト」です)。


もうとんでもなく、メチャクチャに嬉しい。


学生時代、特にハマったアイドルのいなかった自分ですが、心の底からファン心理というものがわかった気がしました。


話したいことは山ほどあるけど、お時間を取らせてしまうわけにはいかない。
これも多分ファン心理。。なのかな。


でも、とにかく最高です。


その後、いけやさんとひろしさんも先生にご挨拶をすませ、みんなで写真を撮らせてもらいました。


調子に乗って何枚か撮ったので、上とは違うパターンです。


というのが、1枚目の写真です。


小和田先生、ありがとうございました!
またお会いしたいです。


今川義元公生誕五百年祭は、1年を通してのものらしいですし、
今川復権まつりは、5/6までやってるので、是非!



気分が高揚したまま、次なる現場の沼津ラクーンよしもとに移動。

3回のネタ出番を終え、夜は企画ライブ。


ロクモンジャーのメンバーが、東京でやってるライブの沼津バージョン。


「歴史ライブ 〜軍師と足軽〜 in 沼津」

です。


先ほどのハンモンジャー(ロクモンジャーの半分という意味。今適当に作りました)に加え、ゲストに
エグスプロージョン まちゃあき


いつ撮ったやつだろ? なかなか華やかじゃねーか。


を迎えての、沼津特別企画です。


これもまた本当に楽しかった。


前半は、朝のイベントのこともあり、今川義元や織田信長についてのトークをたーんと。

お酒を飲みながらということもあって、ちょっと熱を帯びたかもです。

まちゃあきも戦国時代が大好きですから、ホント4人ともよくしゃべった。
いちおう僕がMCなんで、時間配分は僕の仕事ですが、キッチリ時間オーバーしてやりました(15分くらいかな)。

で、後半は、
「歴史ゲーム王決定戦」
と銘打った、戦国にかけたゲームコーナーです(あまりお酒を飲んだあとやるもんじゃありませんがね)。

ここからは、お手伝い兼出演で、沼津の芸人
ヌマンズ


200%お笑い芸人であろう写真。


にも参加してもらいます。


みんなで数々のゲームをやっていったんですが、正直ずーーーーっと盛り上がってました。
MCという立場で見ても、全員ホントにウケてました。


しかし、事件は最後のゲームのとき、
おこります。


ロクモンジャーでけっこう前からやってる
「武田信玄ゲーム」
ってのがあるんですね。

たとえが古くて申し訳ないんですが、"せんだみつおゲーム"の戦国バージョンです(©️ロクモンジャーす)。

ま、細かいルールが何個もあって、かなり盛り上がるゲームではあるんですが、

昨日は異常でした。

それを巻き起こしたのが、2枚目の写真のこの子。



ヌマンズのうえたけくんです。


結果から言えば、このうえたけくんがありえないほどウケたって話です。

ライブでの爆笑を文章で詳細に伝えることほど、無粋で難しいものはありません。

なので、一から十までを説明するつもりはありませんが、いくつかポイントだけをあげときましょう。

・うえたけくんは若いがゆえ、せんだみつおゲームを知らなかった。
・それでも大抵の人は、ルールを覚えるとそれなりにできるようになるが、うえたけくんは、とにかく下手だった。
・何回やってもうえたけくんばかりがミスをする。
・それでも一番後輩の彼は、「先輩に迷惑はかけられない」と一生懸命がんばる。
・しかし、それがさらなるプレッシャーを生み、とにかくミスる。
・汗ダラダラかく。力はいりまくる。
・そしてまたミスる。
・できない寺の小坊主、ちんねん感が出まくる。

などなどの要素が重なり、すごいことになりました。

その健気な姿に、かわいさと滑稽さが充満し、
爆笑の渦です。

演者もお客さんも、とにかく爆笑。

お客さんに目を向けると、前後に揺れてます。
息苦しくなってる人もいます。
もう泣いてる人もいます。

あのドン!ってレベルの笑いを20分以上巻き起こしたうえたけくん。

完全にこのライブのヒーローです。

おそらく、ライブを見たお客さんの印象は、うえたけくんのみで埋まったと思います。
それくらいすごかった。


1日の締めくくりが最高のライブになったのは、ゲストのまちゃあき、ヌマンズ、ご来場いただいたお客様のおかげです。
本当にありがとうございました。



さて、最初にふった2枚の写真。




一見なんの共通点もなさそう……と言いましたが、共通点はまさかの

ヒーロー

です(僕的な)。


しかし、そこで気づきました。

ヒーローを構成する成分表は、必ずしも同じものではないんだな、と。

だって、小和田先生とうえたけくん。まるで違いすぎます。

小和田先生は、学問、尊敬、優しさ。
うえたけくんは、不器用、冷や汗、ちんねん。

なんらかぶるところがないのに、場面が違うだけで、同じヒーローになり得る。
継続的、瞬間的の違いはあれど。

不思議なもんですね。


あ、あともう一つ共通点をあげるとするならば、お2人とも写真を撮るとき、

本当に少しだけ右に傾く

です。


ではでは。