8月23日に『超現代語訳幕末物語』という本が発売になります。

発売直前にですね、少し、この本に対しての"想い"と"理想"を書いておこうと思いまして。

ちょっと暑苦しい文章になるかもですが、お付き合いいただけるとありがたいです。

"ありがたい"、なんて生易しいもんじゃないな。

かなり嬉しいです。



今回の本は『幕末物語』というだけあって、幕末のことを書いた本。
ペリーっておじさんが日本にやってきて、江戸から明治になる"あのややこしい時代"をバリバリに噛み砕いてます。
多くの人が「暗記するだけのもの」として捉える歴史ですが、内容を知るとメッチャクチャおもしろい。
話の流れを理解していただくことを第一優先に考え、"現代の言葉遣い"や"たとえ"、ときには"漫画"や"Jポップ"なんかを盛り込んだ、エンタメ要素の強い一冊です。

当たり前かもしれませんが、、

この本が売れてほしいと思ってます。

10万部でも50万部でも、100万部でも売れてほしい。
せっかくこの世に産み落としたんですから。

たくさんの人の手元に届いて初めて、この子は輝きを放ちます。


本に限らずですが、商品を売るときって、"ターゲット層"というものが存在しますよね。

20代に届いて欲しい、シニア世代が喜ぶもの、男性に刺さる商品、女性が買うべきアイテム……。

それで言うと、『超現代語訳幕末物語』は、性別関係なし、全世代の人に向けて発信する書籍ということになります。

欲張りかもしれませんが、いかんせん誰彼かまわず読んで欲しいんです。

様々な世代の人がこの本を読んで、「おもしろかった!」「わかりやすかった!」と言ってくれる。
僕はそれに無上の喜びを感じ、どこまでもその快感を追求したい気持ちで溢れかえってます。

なんちゅー利己的な考えなんだろうと、自分でも呆れるときありますけど、それが偽らざる正直な気持ちなんですよね。

なので、誰がこの本を手に取っても、本当に嬉しい。
これは間違いありません。


それが大前提の上での話です。


どんな人がこの本を買ってくれてもメチャクチャ嬉しいというのが大前提で、それでも一番嬉しいのは、

子供が読んでくれたときかもしれません。

理由:シンプルにかわいいから。


と、他にもあります。


2年前、『超現代語訳戦国時代』という処女作を発売したとき、いろんな方から嬉しい感想をいっぱい頂きました。

どれもこれも本当に嬉しかったんですが、より一層心に響いたのは、子供が本を読んでくれたということを知ったとき。

大体は親御さんから伝えられるんですが、その報告はもう泣いちゃいそうになるものばかり。

「うちの子が『この本おもしろい!みんなに見せる!』って言って、小学校に持っていったんですよ」
「房野さんの本気に入りすぎて、枕元に置いて、抱いて寝てるんですよ笑」

たまりません。

中には、僕の元に本を持って駆け寄って来て、サインを求めてくれる子もいました。
もう激アツです。
本当にかわいい。


ただ僕ですね、子供たちに「歴史っておもしろいよ」ってことは伝えたいですが、

「歴史を好きになった方がいいよ」

とは、特に思わないんです(大人のみなさんにもですが)。

好きにならなくてもいい。
"理解すること"が大切。



学校の教科や様々な種類のエンタメ。とんでもない数のコンテンツで溢れかえってる世の中、子供たちがどんなものに没頭しても最高です。

その中でね、こと学校の勉強に関してなんですが、
「〇〇は全くわかんないからつまんない。だから興味ない」
って、ちょっと良くないな…とか思ったりするんですよ。

「〇〇はちょっとは理解してるよ。でもべつに好きくない」
これはアリだと思います。

僕は学生時代、勉強ができたわけじゃありませんが(成績はちょー普通。マジで中の中)、ここからブッチギリに偉そうなこと言っていきます。


学校の勉強も、それにまつわる課外活動も、友達との遊びも、突き詰めれば"選択"のためにあると思うんです。

たまに大人でもこんな事言う人いますよね。
「なんで因数分解なんて習ったの? 社会に出て使う機会ねーじゃんww」

いや、あんたはね。

たまたまあなたが社会に出てそれに携わらなかっただけ。
小学校のとき、机を並べた隣の友達は、将来因数分解を使う可能性があるかもだし、もっと言うとあなたもその可能性が十分にあった。

味を知らなきゃ、美味い不味いの判断難しいでしょう。

だから、誤解を恐れず言うと、学校の勉強は、
"拾う"ものと"捨てる"ものを選ぶためにやるものだと思うんです。

友達との遊びも、自分で進んでみる見るアニメや漫画や動画配信も、それは自然と取捨選択ができる。

ただ勉強は、教えてくれる人がいた方がスムーズだから、
「拾うものと捨てるものの幅を広げるために」、学校って場所が用意されてる気がするんです。

だからまず、その教科のことを多少でもいいから理解させてあげないと、"食わず嫌い"のまま未来を狭めた子供だらけになっちゃう。

選択肢をフェアに用意してあげないと。

元来その選択肢って、いい高校に入るため、いい大学に入るため、いい会社に入るための通過儀礼のためだけにやるものでしたっけ。

勉強して、思考するって……めちゃくちゃベタなこと言いますけど、

豊かな人生を送るためのものじゃなかったでしたっけ?


再度言います。
勉強出来なかったくせに偉そうでごめんなさい。


学校において、本来教える側はその教科に愛情を持ってなきゃダメだし、テストがあるから授業をやるなんていう、わけわかんねー逆算はもってのほかです。

これじゃ子供たちが勉強におもしろさを感じられるわけがない(まだ偉そうモード継続中です)。

でも、日本の教育システムが決まっちまってるんで、一概に教師の方を責めることもできません。

だとしたら、

だとしたらですよ。

今は学校の外に、"おもしろい勉強コンテンツ"を求めるのが、最善の策だと思うんです。

それで"理解する"ことが出来て、"選択する"ことが出来れば結果オーライです。

子供たちの未来が広がるならこんなに最高なことはありません。

自分に子供がいないのに、なんでここまで力説するかって、答えは一つです。

子供が心の底から笑ってる場所が、いい場所に決まってるから。

一つでもそんな幸せな場所が増えた方が、いいに決まってるでしょ。


で、話はやっと今回の本に戻ってまいります。

僕が思う理想は、『超現代語訳幕末物語』という本が、子供たちの"選択の理由"になれば嬉しいなと思ってるんです。

「これおもしろかった!歴史に興味でた!」
でもいいですし、
「内容わかったけど、やっぱり歴史はそんな好きくないな」
でも構いません。

知ってもらえるだけで嬉しい。

子供の可能性の幅が、僕の本で広がれば、こんなに嬉しいことはありません。

そして、日本史というカテゴリーに限って言えば、自分たちが住んでる国で何があっのかを知ることって大事だと思うんです。

過去を知るってことは、未来に何を選ぶかを"選択"することだから。



長々と綴ってきて
「じゃ、子供が読む本として作ったの?」
と思われた方もいるかもしれませんが、全然違います。

むしろ、"大人が読む用"に作ったと言っても過言じゃありません。

たとえやワードも、大人がピンとくるものばかりです。

でもね、子供をナメちゃいけません。

彼らは大人が読むような本でも、肌感で理解していきます。

ですので、まずはみなさんがこの本を体感してみてください。


長い文章にお付き合いいただき、ありがとうございました。

よければシェアしてもらえると嬉しいです。

またどこかで、この本や歴史、自分たちの未来について語りあいましょうね。