その後はまぁ、普通のツーリングだった
河津に出て、孤独のグルメでやってた「わさび丼」を食べたり
天城高原で駿河湾を見下ろしながらコーヒーを飲んだり
途中
側溝に見事にハマったバイクが居たり
そのせいで、俺が危うく 軽自動車にオカマ掘りそうになったりと、小ネタも挟みつつ
ここで、ナカさんが 首の爆弾の具合が悪くなり
皆疲れてそうだったので、そのまま伊豆縦貫道で東名に抜けるように指示する
「パツは?」
うん、俺は箱根に戻る
まだ、走り足りなかった
こんな風に思ったのは、何年ぶりだろう
伊豆スカから、十国峠
車が混んでるのを見越して、敢えて湯河原から椿で戻る
一人になった俺は、全身から悦びのオーラを撒き散らせながら
一般車やツーリング集団を次々に抜き去り
軽く鋭いGを張らせっ放しで、伊豆半島を駆け抜ける
行きとは違い、すっかりクリアになった視界の先には
真っ白に冠雪した、見事な富士
もう、言う事は無かった
バイクは
バイクはこんなにも楽しいものなのだ
日も西に傾き始めた大観山
俺は、東本昌平さんのギャラリーが観たかったのだ
素晴らしかった
原画では無いが、原画と同じようなデカいサイズで見る氏の絵は、細かな鉛筆の線までが鮮明で
ブレーキーローターの孔の1つ1つまでも堪能する
何というか
前輪と後輪の回っている速度が、きちんと同じに見えるのが凄いなぁと
一人で妙な歓心をする
実は、そこまで緻密でも無くて
結構 油画みたいな要素もある
タップリと堪能し、外に出ると
もう山陰が、水に墨を垂らしたようになっていた
俺は、バキバキになった身体で車体を跨ぐと
箱根を後にした
( ・・・ん?)
東名高速道路
最後の海老名で、休憩を取り
ガソリンを入れて出発し
横浜町田に差し掛かった辺りだった
見覚えのあるバイクが、唸るようにすり抜けを続ける 俺の視界に入って来た
「・・・ハハッ ♪ 」
気付かないようなので、頃合いを測って真横に付けると
モトさんが、ギョっとした目でコチラを見る
追い付いちゃった(笑)
俺は、軽くウィンクをすると
アクセルを開けて

あっという間に ソコを立ち去った
(了