古い灯台 | すかいうぉーかー

すかいうぉーかー

CRAZY=SPELL−BOUND







耳鳴りがする






ごうごうとなぶる
蛇皮のようにザラついた海風が


温かみの無い革の黒い袖口を擦り上げる






傍らには白い影が


眼を閉じて、じっと気配を隠すように

ただ命令を待つだけのように








辺りを鈍く浮かび上がらせる雪の光

鉛色の空がぼんやりと明るい





空々しい闇に浮かび上がる巨影は

苦しげな低気圧の微かな境界を静かに照らしながら、何も言わずに佇む









靴底から蛇のように這い上がって来る冷気

膝から下が針金のようだ






まだ左腕の痺れが取れない








目の下まで上げたマフラーの端を肩にかけ直し



























また、ポケットに手を突っ込む