「下がれっ!!」
叫びながら崖の上から跳んだ
体重を充分に乗せて叩き込んだ ダオラ=レイドの刀身が、凄まじい火花を上げて 跳ね飛ばされた
(!?)
力に逆らわずに、背後に刀身を回し
逃がしながら着地する
( 弾かれた? 翼の“肉質”が違うのか?)
身体から水分が揮発しないように目深に被っていたマントを、剥いで投げ捨てる
カラカラに渇いた熱風が全身をなぶるのも構わず、腰のポーチからクーラードリンクを出し
決して目を逸らさずに、口で封を切って一息で飲み干す
禍々しい1本角が、恐竜のような皮膚と鱗に覆われた頭部にそそり立つ
その両側で、小さな血走った眼がコチラを睨む
地方によっては、神獣として神格化されてすらいる
獰猛で、小細工をせず
戦士のような闘いを好む
この世界
モンスターとハンターの、終わりなき戦いの始まりを告げたのは
コイツの狩猟を成し遂げた、伝説のハンターの偉業だ
俺が、ハンターとして独り立ちの狼煙を上げたのも
コイツが相手だった
「大丈夫だ。 早く行け」
“船”の帆が張りなおされ
キールが回頭し、白い砂波が飛沫を上げる
甲板
黒い肌に、特徴的なメイクをした
軽ボウを構えた女が、俺を見て小さく頷く
1本角が、頭を振るように全身をわななかせる
高・中・低音
全てが詰まった、聞き惚れるような咆哮が
熱砂の大地に轟く
俺は、それを敢えて全身で受けた
「キーン」と耳鳴りが耳朶を支配し、脳が激しく揺さぶられる
鼻血が、1筋垂れるのを指で拭う
「来いよ」
さあ
始めようか
