店に入った瞬間に、口がアングリと開いた
真新しい赤と黒のカウル
ブラックアウトされたスイングアームに、ユニットプロリンク
それだけで説明不要の「CBR」の文字
「マジで買ったんすか、あの娘
」タカギさん「はい
」09'の国内仕様・78ps
ピカピカの程度極上
お値段もかなり安い
20歳そこそこの 女の子が初めて乗る大型としては、理想的だろう
たくさん距離を乗って、慣れて来たらマフラーなりフルパワー化なり考えればいい
バイク雑誌の仕事につくためにバイトも始めたと言う
しかも「ロイヤルエンフィールド」だの「KTMはオーストリアだけど、韓国で作っている」だのを楽しそうに喋るのだ
本当に109でショップ店員やってそうな、普通の女の子がだ
信じられるか? いきなり身近でそんな話(笑)
なんで俺って、こういう面白いバイク乗りに 次から次へと出会うのだろう
だが、嬉しくなってしまった
ドラッグスターだのSRだのじゃないのだ
そんなにバイク好きなら、とことんバイク人生を歩んで欲しいじゃないか
楽しい事がいっぱいある
機会があれば、俺の知ってる事なら教えてやりたいじゃないか
「こんにちは~♪」
背後から、ご機嫌な声
俺を見た瞬間に、今時の小さな顔が少しはにかみながらニンマリと笑う
「ツーリング連れて行って下さいね!」
俺は
黙って親指を立てた
