２０１９年３月１２日ロイター

“米ボーイング、７３７ＭＡＸのソフトを数週間以内にアップグレード”

以下引用

［１１日　ロイター］ - 米ボーイングは１１日、主力小型機「７３７ＭＡＸ８」のソフトウエアの改善（アップグレード）を数週間以内に行うと発表した。

ソフトのアップグレードと１０日のエチオピア航空の同型機墜落事故が関連しているかは明らかにしていない。

昨年１０月にインドネシア格安航空会社ライオン・エアの７３７ＭＡＸ８が墜落した事故を受け、同社は安全性を一段と高めるために同型機の飛行管理ソフトのアップグレードを進めていたと説明した。

エチオピア航空機の事故が関連しているかは明らかにしていませんが、行間を読むと如何なものか？

それはともかく、どのようなソフトのアップデートかを推測してみたいと思いますが、最も可能性が高いのは、ADIRU(Air data Inertial Reference Unit)というUNITのDATA処理ではなかろうか？と想像します。

さてこの想像、当たるか否か、あくまでも私の勝手な個人的な想像であるという事をご了解のうえ、以下をお読みいただければと思います。

追記（関連情報）

昨日書いたようにライオン航空機の事故原因はMCAS(Maneuvering Characteristics Augmentation System）という、失速防止のシステムの誤作動が原因です。

MCAS(Maneuvering Characteristics Augmentation System）の概要については、上のリブログ記事をお読みいただきたいと思いますが、翼と気流の角度を測定するAngle of Attack Sensor（下図ではALPHA VANE)のシグナルは各々ADIRU(Air data Inertial Reference Unit)というユニットに送られます。

そしてこのADIRUからのDATAは、機体を制御し、またコクピットに飛行状態を表示させるFCC(Flight Control Computer)に送られます。

出典：Boeing issues 737 Operations Manual Bulletin after Lion Air accident

ADIRU(Air data Inertial Reference Unit)は機速や高度や対気迎角などを計算するAir Data Computerと、ジャイロや加速度センサーから機体の姿勢や速度、運動方向などを計算するInertial Reference Unitから構成されており、慣性航法や自動操縦、コクピット表示の中枢のデータソースです。

そこで私の推測は

LとRのADIRUはCross Talkでお互いにデータを比較して健全性を確認しあっていますので、L/RのADIRUのAir Data Computerの計算する翼の対気迎角(ALPHA ANGLEといいます）のデータと、IRUの計算する機体の迎角を比較検証し、ALPHA ANGLEの健全性を確保したうえでMCASを作動するようソフトをアップデートすれば解決できるのではなかろうかと思います。というか、Single Sensor Failで事故に至ることのないよう、初めからALPHA ANGLEの健全性を確認するようにソフトを設計しなければおかしいと思います。以上私の勝手な推測でした。

という事で株価急落が伝えられるボーイング株ですが、４４０ドルが４００ドルというと大きいように思いますが、No１軍事企業のボーイング社、トランプ政権以前の１００数十ドルから比べればまだまだ高く、２０１８年の最高値に比べてもだいぶ上回っています。

なお中国がB737MAXの運航を停止しましたが、現在中国国内向けのB737MAXは中国舟山工場で生産と最終検査がされているのではないかと思います。

“ボーイングが建設中の中国・舟山工場が完成、2018年から737MAXの引渡し開始”ご参照