本日は夕刻に自宅を出て、会場のある市ヶ谷に向かいました。会場はルーテル市ヶ谷ホール。プログラムはベートーヴェンのピアノソナタ30、31、32番。市ヶ谷駅に到着した後は、堀を渡って防衛省のある側に行き、右折しあとは道なりに少し歩くとすぐに到着します。途中には武蔵野美大や中大の情報学部などもあり、他にも日大や法政大などもありますが、市ヶ谷は大学の街でもありますね。5、6分ほどで到着しました。

 

ホールは収容人員200名とこぢんまりとしていて、本日は全席自由でした。小生は中央通路の脇の空いていたお席(F9番)に座る事ができました。ホームページには、このホールの残響時間は1.45秒と記載されていましたが、果たしてどんな風に聞こえるのでしょうか。結果的には、ピアノの音は、とりわけ高域が強く聞こえるという感じでした。天井があまり高くないのがそのように聞こえる原因でしょうか。このホールにはスタインウェイ2台とベーゼンドルファーがあるそうですが、演奏には前者がチョイスされました(ただし、型式はどちらかわかりません)。写真の右側奥に見えるように、パイプオルガンもありました。

 さて、演奏はというと、最初の30番は緊張のためか、やや固い演奏だったように思います。31番の方が柔軟さが増して良かったように思いました。お人柄は大変真面目なお方なのでしょうか。演奏にもそれが現れているかのようでした。31番の第2楽章は、まるで春のそよ風のようで、大変素晴らしかったと思いました。

 32番の出だしは誠に力強く、音がよく響きました。しかし、第1楽章中盤から第2楽章全体は、やや平板だったという印象は否めません。演奏を聴きながら同じ女性ピアニストの田部京子さんや伊藤恵さんの演奏の記憶と比べていました。伊藤さんは5月の連休中に聴いていますので、記憶は鮮明です。一口に言って伊藤さんの演奏の方が彩り豊かだったように思いますし、32番の第2楽章はじつに深みがありました。

 

とはいえ、悪い演奏だったというわけではなく、教会での演奏をはじめて聴くという楽しみもあって、結構楽しめました。★★★★