21日の木曜にサントリーホールに行ってきました。NHK交響楽団のB定期です。出演とプログラムは次のとおりでした。座席の大まかなのロケーションは2階Cブロックの真ん中あたり、オケの並びは対向型でした。

 

  出演  指揮:鈴木優人
      ヴァイオリン:イザベル・ファウスト

 

  プログラム  ウェーベルン:パッサカリア Op. 1
         シェーンベルク:ヴァイオリン協奏曲 Op. 36
         J. S. バッハ/ウェーベルン編:リチェルカータ
         シューベルト:交響曲第5番 変ロ長調 D. 485

 

 

 今回のプログラムは、かなり凝ったもののようです。「解説」によれば、ウィーンという街の二つの要素ーードイツ音楽の中心そして周縁的なーーがあるのだそうです。とはいえウェーベルン、シェーンベルク、はオーストリア生まれですが、ウェーベルンの家は元々クロアチアの貴族、そしてシェーンベルクの両親はそれぞれハンガリー、ボヘミア生まれということで確かに東欧的要素が見られます。このようなことが、作風にどう影響するものなのか、興味深いですね。さらに「解説」では、もう一つの二面性についても言及されています。それは調性はメチャクチャ革新的であったのに対して、形式(パッサカリアとか)は保守的なのだとか。

 ともあれ昼に予習として各曲を一回ずつ聴いてみたのですが、一回程度では全く予習になりませんでした。その意味では今回の企画は私のような素人には、やや難しいものでもありました。

 とはいえ、録音したものよりもライヴの方がはるかに素晴らしく、でも、耐える時間が続きました。2曲目の協奏曲はイザベル・ファウストの演奏がとても素晴らしく、これには感動させられました。アンコール曲として「ルイ=ガブリエル・ギュマン:無伴奏ヴァイオリンのためのアミュズマン Op.18  XII Altro」が披露されました。

 そしてシューベルトの交響曲第5番、初めて聴く曲です。楽器の編成が小規模で、クラリネット、トランペット、ティンパニーなどが加わっていません。弦のほかにフルート1、オーボエ2、ファゴット2、ホルン2で、ヴァイオリンはビブラートをかけず演奏していたので、なんだかモーツァルトの曲のようでした。激しい変化や暗く陰鬱な要素もほとんどなく、明るめで微温的な曲でした。とはいえ、前3曲とは対照的でなんだかほっとされられたのも事実ですね。

 

 

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