11日、新日フィルの定期演奏会に行ってきました。出演とプログラムは次のとおりでした。オケの並びは通常のもの。座席は2階席Cブロック。

 

  主演  指揮:シャルル・デュトワ
      ピアノ:阪田知樹(ペトルーシュカ)

 

  プログラム

   ハイドン:交響曲第104番 ニ長調 Hob. I: 104 「ロンドン」
   ストラヴィンスキー:バレエ音楽『ペトルーシュカ』(1911年原典版)
   ラヴェル:バレエ音楽『ダフニスとクロエ』第2組曲

 

 さて、指揮は、例の事件から一時姿が見られなくなりましたが、最近、日本での演奏に復帰しつつあるシャルル・デュトワ。復活後に彼の指揮で聴くのは、初めてかなぁ。そういえば、フランソワ=グザヴィエ・ロトの件が先日報道されていましたが、公演中止だとか。どうなることやら。。。

 

 今回のプログラムがちょっと変わっていて、ハイドンの後に休憩があり、後半が2曲というスタイルでした。この構想は秀逸ですね。また、崔文殊さん、西江さんのダブルコンボで、なんか賑々しい感じでもありました。ハイドンは小編成でしたが、弦の音がシンプルで美しく、聴き応えがよかったです。

 

 そして後半の2曲はともに20世紀初頭の楽曲で、ともにロシアバレー団によって初演を迎えたのだとか。解説によれば、「火の鳥」「ペトルーシュカ」の成功を横目で見ながら…、とあり、ラヴェルの焦りや目立ちたがり屋的な人品がうかがい知れるようで面白かったですね。また、ハイドンの曲が18世紀末、しかもまだ音楽が大衆化していない時期の作品、一方、後半の2曲はクラシック音楽が大衆化した後の作品であることも興味深かったですね。

 

 そしてシャルル・デュトワ。後半の2曲では、やはりデュトワらしさが十分に発揮され、音色が極めて多様であると感じた次第です。ホール内でオケの音が、まるで乱反射しているような印象でした。例の件でよくないイメージがまだ十分に回復してはいないと思いますが、実力はやっぱりあるなぁ、と思った次第です。上手いですね。初演された20世紀初頭のパリの雰囲気が伝わってくるようでもあり、面白かったです。

 

 それにしてもピアノの坂田さん、なんとなく地味な役割ではありましたね。でも、小生の席の後ろの方から「坂田」と、まるで歌舞伎役者への声がけのようなかけ声があり、小生、クラシックの公演では珍しいなと思いつつ、拍手しておりました。今度、もっとその存在が目立つ曲で聴いてみたいなぁ、と思いました。

 

★★★★