サントリーホールから先ほど戻りました。読響の定期演奏会、一昨日の横浜でのプログラムと同じマーラー交響曲第3番ニ短調の演奏会です。出演は次のとおりでした。今回チョイスしたお席は1階20列7番。このあたりの席を買うのは初めてで、どんな聴こえ方をするのか楽しみにしていました。

 

 出演 指揮:ユライ・ヴァルチュハ
    メゾソプラノ:エリザベス・デション
    合唱:国立音楽大学、東京少年少女合唱隊

 

 最近、マーラーの交響曲の中で2番、3番、6番、8番、9番は2回聴くに行くことがほとんどなのですが、2回目はこちらが慣れてしまうためか、1回目の方が良かったかなぁ、と思うことが多いのですが、今回は違いました。チョイスした席は、ちょうど弦セクションの演奏者と同じくらいの高さで、P席の合唱団の歌声、あるいは第3楽章のホルン別働隊----今回はP席裏のオルガン左側の廊下----の音がまるで天からの調べに聞こえました。一方、舞台上の楽器は上から降ってくるのとは違う聞こえ方で、いつもの2階席で聴くのに近い聞こえ方で、こなれも悪くなくいい音でした。また、ソリストの声も、一昨日と比較して距離が近かったこともあり、聞こえ方は改善、特に高い音の部分で声量が増すところは大変美しく、堪能できました。

 

  ですが、第4楽章の独唱部分ではホルンが結構かぶり、「ここはホルンがもっと抑さえてほしいなぁ」というのが正直な感想でした。楽器は全体的に悪くなかったのですが、中でもフルートはまさに天の調べとも言える、すばらしいパフォーマンスでした。

 

 この曲で小生が最も感動させられるのは、第5楽章で合唱の後に間髪を入れずに最終楽章が始まるところです。静かに厳かに弦楽器が主題を奏で始めるところは、目を閉じて耳だけに神経を集中して聴き入ってしまいました。そして満ち足りた幸福感に包まれたような気分にさせられてしまいます(今も頭の中で主題が流れています

)。まさに至福。ただし、横浜でも感じたある種の不満がどこにあったのかも、今日はしっかりと確認もしました。最終楽章で弦が主題を奏でつつ、一度盛り上がった後に、再度、今度は主題を弦楽器中心ではなくて管楽器がやや強めに奏で、フィニッシュに向かいますが、ここの部分です。やはりごちゃっとして、力を入れて演奏している割には音が飛んでこず、美しくありません。ここが力強くも美しかったら、もう、感動の涙を滂沱の如く流すかもしれません(ちょっと大げさですね)。それでも横浜に比べて感動の度合いは大きく、★★★★★とします。いい演奏でしたし、このお席、1階20列、悪くないなと思いました。