沖縄の人々の何気ない仕草を観察するのが面白いです(失敬な言い方ですみません)。
タクシーのおじさん~
市場のおばぁ達~
そして、田舎のバスの中~
普段の生活習慣や価値観が滲み出たような会話に、
思わずニヤリとさせられる瞬間に出合ったりします。
那覇バスの南部循環線の南周り便でのこと…
そのバスが糸満の真壁小学校前停留所で、
おばぁと小学生の女の子(お孫さん)を乗せた時の光景~
糸満ハーレーの日のお昼前時でしたから、
これから糸満漁港へハーレー競漕を見物しに行くのでしょう(学校は休みのようです)。
女の子は嬉しくて堪らない様子で、おばぁを引っ張り上げながらバスに乗り込んで来ました。
「ねぇ、ねぇ、おばぁ~ どこ座る? 後ろに行こうか!」
「エ~、後ろはヨ… 幽霊が出るよ~」
「え~? 何が?」
「幽霊だよ、幽霊~」
「……」

おばぁにしてみれば、
動き辛いのにわざわざ後部席にまでヨタヨタ歩くと云う選択肢なんかありません。
孫には問答無用の前方着席の指示を下すのですが、
孫と言えども本音は決して明かさないのがおばぁのテクニック…
「幽霊」が命令アイテムとして登場するのです。
一瞬考え込むお孫さんの可愛い仕草に、思わず破顔してしまいました。
おばぁの深層心理の世界の中で、
バスの後部座席に潜む何者か…
それを想像してみて、
また改めてニヤリとしてしまいます。
(ちょっと怖くなったりします…)