初投稿 2019.2.3

「日本人の根源的な恐怖とは、いったいどこからくるのか?」

そんな問に対して

「ある世代以降の人間にとってはそれが少年期に読んだ
楳図かずおの作品群であったというのは
一定のレベルで認識されているんじゃないでしょうか?」

そう語った作家、綾辻行人の意見には大いに賛成であり
管理人も楳図かずおの才能には幼い頃から
恐怖と誘惑の入り混じった不思議なリスペクトが
今に至るまで続いている



本作は楳図氏の代表作のひとつ「おろち」の中の一編だが
内容が少年誌に載せるにしては哲学的というか
文学的な世界で、楳図かずおという作家性の一面を
剥き出しにした異色の一編になっている

冒頭で触れたように恐怖の代名詞である氏を支える理由の
ひとつとしてその圧倒的な描写能力があるのは勿論だが
根幹をなすストーリーテリングや発想こそが
氏の天才たる由縁と言えるのではないだろうか?

~「戦闘」のあらすじ~

品行方正な父を持つ少年「正」は父親が何故そこまで
道徳的なのか不思議に思っていた。
その小さな疑問は、ある人物との出逢いにより
とてつもなく大きく、深い、疑念に変わるのだった…

本作は少年の心の葛藤を中心に据えた心理劇であり
残酷な描写もほとんど無い

にもかかわらず、この一編ほど人間の怖さを
上手く描いた漫画はそう多くないだろう


主人公が悩む自問自答に対し、読者は居心地の悪さとともに
清涼感が混在するという奇妙な感覚を味わうだろう

「優しさ」「尊厳」「成長」「絆」

人が誰しも悩む、普遍的なテーマが散りばめられた
本編は少しダークなムードではあるものの
いくつかの看過しがたい深いテーマとラストシーンの
秀逸さにより忘れがたい作品となっている


ちなみに管理人の好きな楳図作品は
オーソドックスに

「漂流教室」
「洗礼」
「ねがい」
「おろち」

ですかね

モクメは幼少期のトラウマでした
                                   Fin


追記
最近当ブログの解析をした所
この古い記事のアクセスが
なぜか増えていたので
「おや?」となった

確かにおろちの
エピソード中でも屈指の
一遍ではあるけど
イマドキの知名度なんて
たかが知れてるだろうに



てな事でリンクを貼るか辞めるか
悩んだが自己判断でどうぞ

「戦闘」完全解説動画
⚠完全ネタバレ有りにつき注意⚠
(動画は下にスクロールするとあります)
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あとこれはまだ観てなかったわ   今度観よ

おしまい