取材日時 2008年 8月21日
コメント・今年の夏に敢行した約一ヶ月に渡る廃墟探索の第一発目の物件は三井美唄炭鉱の選炭場~変電所~原炭ポケットである。
灼熱の本州新潟より新日本海フェリーで北上、早朝の小樽の気温は驚く無かれ「10度」、肌寒く見上げた空は秋を思わせるような雲がたなびいていた。
8月のお盆が過ぎると北海道は一気に秋めく。探索には絶好の季節に渡道出来た幸せをかみ締めながら、道央道を旭川に向けて車を走らせた。
朝の7時には南美唄の街中に入る。
通勤の車がボチボチと出始めてはいたが、さすが北海道。住宅地の中を走っても人の姿は殆ど見ない。
県外ナンバーの車が出勤車とは逆の方向に走っていったとしても、特に目にとまる事も無くその点行動しやすいから助かる。
そして、今回は強力なツールを導入している為に見知らぬ土地で道に迷う事も無い。携帯電話に仕込まれたアプリで作動する「携帯ナビゲーション」だ。これに出発前廻る予定の物件を全て登録してきた。
だから、記念すべき一発目の物件も全く迷うことなく現場着する事が出来た、移動時間大幅な節約は一日に幾つか物件をハシゴするときは非常に重要になる。
目的地に到着し、邪魔にならないところに車を止め、熊よけの鈴をデイバッグに括りつけて山の中へ分け入った。
身の丈以上に伸びたお化けのようなフキをなぎ倒し、顔にバシバシと当たってくる雑草を持参した鉈を振り回しながら前進をする。正にヤブ漕ぎである。
虫が苦手で、ましてやマムシやヒグマ出没多発地帯の山中をこれから数日間やらなければならないと思うと、気がめいる。
特に北海道の炭鉱廃墟は山奥にあり、閉山してからかなりの日数が経っているために、その殆どが深い藪に埋もれている。もしヤブ漕ぎがいやなら初雪が降る前かゴールデンウィークの数日間しかチャンスは無い。しかし、今後社会復帰してしまったらそんな中途半端な時期に北海道に渡れる筈も無く、チャンスは今しかない。
嫌々だが今前に進まなければ、一生このチャンスは巡ってこないかもしれない。だから、頑張るしかない・・・。