夕方着いたいつもの泌尿器科の待合室は刑事さんに前後を挟まれて腰縄を付けて手錠にタオルを乗っけて隠した(のか?)パキスタン人の兄ちゃん(←何やったんだこいつ?)が診察に来てた。
ざっと10人待ちかぁ混んでるなぁ・・
顔見知りの看護師さん(おばさん)が、
「kenさん、お小水取ってくださ〜い」
トイレに入って紙コップに名前書いて、
みと(・・・。)
じょろ(はぁ・・)
ぼぼぼ(おもいっきり『あずきバー』色)
なんかごめん。と独り言。
おしっこ入り紙コップを取りに行った看護師さん(だからおばはん)
「血尿いつから?」
さっき。
でもないか、11時頃かな。
「ずっと?」
コーラになったりワインになったり。
「先生空くまでちょっと待ってね」
「やり過ぎだね」
え。
(そんな・・)
(4年近くやってないですはい)
(結構「おあずけ」食うタイプなんで)
「頑張り過ぎ」
え。
(だからー)
(そりゃ頑張っていいなら3回くらいは)
「この暑いのに」
「今年は普通の暑さじゃないよ?」
「若い人でも倒れるのに・・」
はあ。
「歳」
「考えましょうよ」(先生は俺と同い歳)
「人並み以上に動けるのはいいことです」
「歳を考えたら立派です」
(おー)
「で、」
「身体がSOS出したんですよ」
「限界です。休みましょう。て」
「ま、とりあえずエコー撮ってみましょう」
妊婦さんみたいにお腹にゼリー塗って
「ここ痛い?」
「ここは?」
「痛いのはどこ?」
「あー」
「背中診ますよー」
「あー」
(なんだよー?)
枕元のディスプレイで、
「これ」
「この白く光るやつ」
「石だね」
(い?)
(し?)
「んー」
「5mmくらい?」
(俺に聞かれても・・)
恐らく尿管結石。
で、その石が尿管を傷付けて出血中。
過労が引き金じゃないか?と。
ま、そでしょーね。
だとしても休めないからね。
仕方ないねの平常営業。
石溶かす薬と痛み止め大量に貰った。
ここんとこ『右ちんこ脇と右おけつ上』が痛かったのはそういうことだったのか。
毎日重いもの持ち上げ過ぎて腰やっちゃったんだと。
他人よりキツい仕事をしてさ、
それは望んでしてるんだけどさ、
休みの度に実家で親父の片付け。
親父死んでから一日も休んでない。
そりゃね、
身体壊すよね。
だけどさ、
何のリターンもない事をなんでこんなにやらなきゃならないんだ?
それは親父がクズだから。
俺はこういう『死人』には絶対ならない。
いかんね。
俺今きっと感じ悪いね。
いかんよ。
ニコニコはしなくていいから穏やかな顔してないと。
話しの続きになるけどさ、
現実的俺の希望は、
この仕事の最中に倒れて死にたいんだよ。
そりゃ迷惑だろうけどね。
思いっきりダッシュして「う。」て胸に手を当てて倒れて駆け寄る職員さんドライバーさん。
暗くなって行く視界、薄れ行く意識の中で最後の言葉、
ろ、
ろうさい、
で、でるかな・・?