土曜日の始発2本目は人もまばらで窓ガラスにびっしりと水滴。その向こうに雨に霞むグレーな街。
雨作業は嫌だけど、
こういう天気もあるよ。
雨降らないと畑の作物育たないしね。
昨日、ベテランさんと組んで、
「kenさん走らなくていいですから」
「俺ずっとこの仕事してて走る癖が付いちゃってて」
「自分のペースでやってください」
と走りながら言ってくれる。
はい。
出来る限り着いて行きます。
後を追いながら大声で答える。
午前中の作業終わって、
「流石ですねぇ」
「走りますね」
いえ。
必死です。
ダッシュして走って息が切れて吐きそうになって膝も痛いし、
それでもさ、
身体の痛みはしんどさは心のそれより遥かにマシ。
頭の中でそう言いながら走ってる。
何があろうとあの頃よりはマシ。
「何の為に生きてるかわからない」
なんて思った事ない。
生きてる間にどこまで弾けるか見てみたいし(それは「長生きして」と言う意味ではなくて)
ずーっと『俺を好きになってくれた女の人』に迷惑かけて、嫌な思いをさせて生きて来たから。正直クズだと思ってるから。
残りの時間くらい、ちゃんと生きようと(生きられたらいいなぁ)と思ってる。
そういう意味では、
「何の為に」ではなくて、
誰の為に生きてるかわからない。
うん。
ぜんっぜんわかんない。
作業着にカッパの上だけ羽織って、
だって出る時、大したことなかったもん。
予報も「上がる傾向」て言ってたもんっ
ヘルメットの縁からぽたぽたぽた水滴。
ズボンびっしょり洗濯途中並み。
上着、カッパ着てても袖口からじんわりプラス汗でぐっしょり。靴の中ずっこり。
配車待ちで、雨宿りする場所もなく公園で突っ立ってた。
なんかこんなこと子供の頃もあったな。
どこだっけ?
確かね、家族で山登ったんだよ。突然の大雨でカッパ着て「動くと危ない」って。
びしょ濡れで薄ら寒くて俺泣き出した。
なんて事を思い出したこれも走馬灯。
戻って着替えて、
「ああ乾いてるあったかい」
嬉しくてなるのは大概だぞ今日の雨。