ダメ好き鶏そぼろ | Botom line, botom job.

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結局のところ、底辺職。

昼下がりのセブンのレジ前。

 

「あ。先にどうぞ」

「お先にどうぞ」

「先、いいですよ」

 

さっきから俺の後ろに並んでる郵便屋さん、引っ越し屋のお兄ちゃん、どっかの営業のおっさん・・に順番を譲り続ける。

だってレジ、ひとつしか開いてないし。

(お。後ろ誰も並んでない)

 

あの。

すみません。

 

「?」(レジのおばはん、もといお姉さん)

 

さっきホットコーヒー買ったんですけど。

 

「?」(「あー、買ったね。覚えてるよ」て顔)

 

ぼぅっとして『 L 』押しちゃって・・差額を払お・

 

「え。」

「入りました?」

 

あ、ええ、ギリギリ入りました。

 

「入るんだ」(え。そこ?)

 

カップのふちギリギリでしたけど(だからさー)

ですので差額を。

 

「え?」

「いーのいーの」

「気にしないで」(いやするだろ。逮捕されたやつ居ただろ)

「ありがとうございます」

 

あ、はい。こちらこそありがとうございます。すみませんでした。

 

 

後ろにお姉さんが並んだのでお辞儀してレジを離れる。

 

 

「入るんだー」(おばさんまだ言ってる)

 

 

 

貴重な俺の休務日を川を渡って小一時間。

親父の施設を見に。

 

「この状態ですと受け入れは難しくなりますね」

「施設全体に便臭がするようになってしまうので」

 

そりゃそうだろね。

 

でもさ、

だったらさ、

その時点で話を打ち切って帰らせてくれよー

そこから1時間半、見学して申込書書かせて、

 

「それでは後はうちと病院さんとのやり取りになりますので」

「結果が出次第お知らせします」

 

気を持たせるんじゃねーよ、こっちは期限迫ってるんだよ。駄目ならダメで次行かなきゃなんだよ。

13時に家を出て帰宅19時半。

なんなんだよー

俺は親父にいい施設に入ってもらおうなんて思ってない。死に場所を探してるだけだ。

帰りのTOCOTで姉と、


お袋はなんであの人を選んだのかなぁ?


「ダメ男好きだったんじゃないの。」


(うわあああ)



漫画や話しには聞いていたけど、まさか自分の身内に居るとは、それも母親が・・

あー、

でも、

俺も人のこと言えないよな。

親父には遠く及ばないけど(と思いたい)

誰か好いてくんないかな。



くたびれてるけどアスペだから『帰ったらやる』と決めてた事はやる。何時であろうとやる。じゃないと今日一日に腹を立てちゃうから。


炊飯器届いてる。

お米(ゆめぴりか 5kg 4,270円。高っ)買ってある。

鶏ひき肉買ってある。


先ず新品の炊飯器を洗って、

お米研いで炊飯器最初の「ぴ。」

ボールに醤油大さじ4、砂糖大さじ2.5、味醂大さじ1と生姜ぶにゅ〜を混ぜ混ぜ混ぜ・・

フライパンに鶏ひき肉300g「どば。」

料理酒をー


「なにしてるの?」


背後から娘。


お弁当用鶏そぼろプロトタイプの製作、並びにシュミレーション。


「油引かなきゃ」

「最初は鶏ひきだけ炒めるの」


え。

あ、そなの。

すぐ混ぜないの?



並んでキッチンに立ってご指導いただく。



冷蔵庫にさ、

卵と蕎麦つゆと葱あるじゃん?


「うん」


てことはさ、

納豆買ってくれば納豆ご飯が食べられるのか。


「だね。」


炊飯器ってすげえ。


「あはははは」

「何言ってんの今更」



少なくとも、

俺が親父を嫌うほど、俺は娘に嫌われてないようだ。

今のところはだけど。

嫌われないうちに死なないとだ。

プロトタイプは失敗。



お弁当屋さんの鶏そぼろってさ、

相当お醤油入れてんだね。


「あー」

「あれ煮込んでるからね」


そーなのか。