5時23分の地下鉄が目の前を滑り出して行く。
これには乗らない。
ホームに立ってぼんやり見送る。
白いパーカーのショートカットの女の人がスマホに見入ったまま視界を過ぎて行く。
まさかね。
今何時だよ?
まだそんな景色を見るか。
都合のいい幻、
他人の空似、
仮にさ、
もしそうだったとしたらどうするって?
何が出来るって言うんだよ?
4年前の今頃、どうだったっけ?
3年前の今日、何をしてたっけ?
自分の愚かさとみっともなさカッコ悪さにまた苦笑する。
厚手のパーカーじゃ朝はまだちょっと寒い。MA-1を羽織って行くほどじゃない。
帰りはパーカーでも汗をかく。
幻でも、見れただけありがたく思う。
雨中仕事の張りが出来た。
今日はいい日だ。