かちゃん。
玄関の鍵が開く音がして娘が帰って来た。
さっき帰宅途中、TOCOTの中で「駅向こうのスーパーで買い出し中」とLINEあった。
キッチンからプロテインシェーカーを持ったまま顔を出して「おかえりー」
上り框(あがりかまち=玄関の廊下側の高くなってる所)に座ってスニーカーを脱ぎながら振り向いて、
「え。」
「撮影帰って来て筋トレしたの?」
そだよ。
「タッフだねぇ〜」
そかな。
でもさ、
帰って来た勢いでやらないとやんなくない?
「それはわかる」
「そう言えばさぁ」
?
「夜中に寝言で「痛っ」「痛いっ」て何度も言ってるよ」
「面白がっちゃいけないんだろけど筋肉痛?」
ちがーう。
膝と指が痛いんだよ。どういう寝方をしても痛い。
で、それ、半分寝言で半分起きてるから。
「大丈夫なの?」
うーん。
大きい病院で診てもらった方がいいのかな。
今日も待ち時間に見てたんだけど、膝より指の強張りが高原病(爽やか〜)とか指定難病とか検索で出て来ちゃってさ。
まーでもねー俺が現役で体動かせるのなんてせいぜいあと10年だろからさ、今更難病だとしても大して変わらんよ。
なんて会話から最近娘が行ったライブの話、身近なシンクロニシティ(ユングの同位同時性)から死刑廃止の是非、面白かった本の話などなど、二人ともキッチンで立ったまま小一時間。
『娘そろそろ出てって問題』から関係修復しつつあるかな?
そこそこ長いこと男張ってて思うこと。
戒めてること。
自分を必要としない人に関わってはいけない。
気持ちと時間の無駄でしかないから。
そこから得るものは何もない。
かつて必要とされて、それがいつの間にか消えてしまっていても。それは『いとも簡単に消えてしまうもの』と理解するべし。
誰にも必要とされない事は悲観する事じゃない。相手がある事はどうにもならないのだから。どれだけ頑張っても出来る事は50%、半分まで。
自分の為に気持ちと時間を使った方がよっぽどマシ。
それは100%だから結果が出易い修正も容易い(たやすい)
いや、
独り者のやっかみ、自分を納得させる詭弁。そのとーり。わかってるよんなことは。
そしてそれは、
いくつになってもちゃんと出来ない。