今そこにあるよ死 | Botom line, botom job.

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結局のところ、底辺職。

あ。


こりゃしぬな。



ゾンビ。

と言うか、

パイレーツ オブ カリビアンのその他大勢。

と言うか、

骸骨に灰色の皮貼り付けて1cmくらいの白髪の無精ヒゲぼーぼー


おーいっ。


布団に寝てるそれに大声を掛けるとぼんやり目を明けて「あー」

何言ってるかわからん。

だし、

俺が誰だかわかってないんだろな。

だし、

入れ歯どーしたどこやった?



あーしーたっ

びょういん、いくから、あさ、おきててね


「あー」(「あ」に濁点)



「お金貸してくれ」親父がここ二週間くらいで急速にボケた。

「家族旅行に行ったんだけど雪が凄かったから親父だけ昨日夕方帰って来たんだ。あの後大丈夫だったか?お前達は今どこに居るんだ?」

と自信と確信に満ちた元気な声で仕事中に電話掛かって来たり(旅行なんか誰も行ってねーよ。お母さんは死んで10年だよ。チビはとっくに二十歳過ぎて俺ん家に居るよ)

とか、

実家から徒歩3分の交番から「自宅がわからなくなったとおっしゃって保護しております」深夜に電話掛かって来たり。(いや交番から家見えるだろが)




冷たい雨が雪に変わる中、9時に病院。

二度目の認知症の診察を受ける。

ほとんどの質問に「さぁ・・ちょっとわかりません」ぼんやり答える親父。

そもそも自立歩行が出来なくなってる。

俺と姉が弁当やらファミチキ(好物)ビールやら差し入れても『弁当だけ』食べない。

一週間くらい食べてないらしい。

161cmで38kg

どんなダイエットだよ?

そのダイエットのダイは「DIE」のほーだな。



先生が、

「これはだめだよ」

「栄養状態が悪すぎる」

「入院だね」


はい(でしょね)


「その前に内科検診して。あと紹介状書くから国立病院の脳神経外科で診てもらって来て」

「ひよっとしたらそっちで入院になるかも」


ありらー


降りしきる雪の中『頑張れトコちゃん夏タイヤ』で国立病院(近い同じ町内)


「くも膜下水腫は小さくなって良くなってるけど、血腫だねこれ」

「これが脳を圧迫して痴呆が急速に。は無いかな」

「でも月一回CT撮ってね」


はい(てことは単なる痴呆特急?)


行って来ましたー


「ではおおよそ2か月入院しましょう」

「その間に自宅に戻れるかホームに入るか考えましょう」

「酷くなるようなら老人病棟と言うこともありますし」


あいー(お袋と同じ流れだな)


「入院に際して延命治療についての考えを伺っておきたいと思います」


母がこちらでお世話になっておりました時、胃瘻(いろう=胃に穴を開け直接栄養を流し込む治療)で延命しました。自分と姉は反対しましたが父が独断で。自分は今でも胃瘻は必要なかったと思っております。ですので同様に一切の延命治療は必要ないと考えます。

(隣の姉に「どうぞ」の手振り)

「私も同意見です」

「延命治療はしていただかなくて結構です」



実家に戻って、新聞止めてゴミ捨てて要らないコンセント抜いて風呂の水(きったね)抜いて保険証券漁って入れ歯探して(どこにもない)終わったの17時。

その間、飲まず食わす。

kenさんご機嫌斜めだぜ。

これが介護休暇ってやつかー

ちっとも休暇じゃねーじゃん。



今日仕事中、車の中で『若い頃乗ってた車プロレス』やってた。

話の流れで、


「それでkenさんカメラマンじゃモテたでしょ?」



「kenさん歳の割に今もカッコいいもんね」


(「としのわりに」てなんだよ?)

(気遣いだったらいらねーよー)


「kenさん兄弟は?」


姉が居ます。


「何してるの?」


画家。

来月プラハで個展だそうです。


「へえぇ〜」

「そういう家系なの?」

「お父さんは何してたの?」


ゾンビ。