ただ茹でただけの素麺に、少し飽きてきたレイナだったが、一向に義母が用意するお盆の上には、茹でたそうめんが乗っているだけ。

 

他に「食べれる物だけでも食べてね」といったおかずの用意は特になく、レイナ自身も、どの食材なら食べられるのかがわからなかったので、「これ食べたい」というような指定もできず、義母が用意してくれるかも…という期待はしないことにした。


 

しばらくして、茹でただけの素麺にも飽きてきたため、「おにぎりにチャレンジしたい」とお願いしたところ、そこからは毎食が、白い塩むすびとなった。
どうやら、義母は、頼まれた以上のことは、しない主義らしい。塩むすび生活が3週間ほど続いた後、レイナは容体が悪くなり、入院することとなった。

 

栄養が足りておらず、点滴治療をしながら、切迫流産から切迫早産になることを防ぐ目的での入院だった。

 

身動きも取れず、絶対安静の状態の中で、旦那もほとんど家にいない中、義母が作ってくれた食事を口にするしか方法がなかったレイナにとって、この時期の精神状態は、不安以外の何物でもなかった。
本来なら、実家に帰って、実母の元で過ごせることが最善だったのだろうが、旦那にその相談をしたところ「俺はどうするんだよ、俺の親の気持ちも考えてくれよ」と言われ、実家に帰ることを許されなかったことも、レイナのつわりが悪化した原因の一つだったと思う。

 
 

妊娠というのは、新しい命を宿ることであり、妊娠した瞬間から、その子の人生を背負うこととなる。当然ながら、赤ちゃんというのは、夫婦で作った生命の誕生となるのだが、自身が妊娠を経験していない男性は、今ひとつ実感がわかない、という人が多いらしい。

 

そうすると、つわりで妻が苦しんでいても、何が辛いのか理解できないし、何でイライラしているのかもわからない。

 

義母も同じだった。
義母は昔、妊娠していても、つわりの経験がほぼなかったようで、レイナが寝込んでいると、口癖のように「妊娠は病気じゃないんだから」と言われていた。


さらに、レイナがつわりのせいで、匂いに敏感になっていることを知っているはずなのに、1階にいる義母たちが、豚のモツを煮込みだしたり、鉄板焼きを始めたり、2階で寝込んでいるレイナにとっては、地獄のような状態が、数ヶ月に渡って続いていた。

 

そんな中での入院だったので、レイナはやっとストレスから解放されて、症状も回復し、無事に出産の日を迎えることができた。

 

ところが、事件は、その出産当日にも起こってしまう…。

 

 

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