新婚の私たちが住む、この部屋で、夫が他の女性と、身体を重ねている…

 
 

そんな動画を見てしまった私は、当然ながら、冷静でいられるわけがなかった。

自損事故を起こして、半分パニック状態の私は、駆け寄ってきた夫に対して、まくし立てるように、見てしまった動画の話をした。

 
 

一瞬、目を泳がせた夫は、何を思ったのか、眼球をキョロキョロさせながら、慌てたように弁解をしてきた。

 
 

「いや、俺本当に、何も知らないんだけど。何のことを言ってるの?」
 

「知らないわけないよね。動画にあなた映ってましたけど」
 

「え?動画ってどういうことよ」
 

「あなたが渡してくれたパソコンにデータが保存されてた。初期化する前に一応見ておこうと思ってチェックしたら、あなたが女の人とセックスしてた。あの部屋で」
 

「えっ…ちょっと待って。とりあえず、車のことやってから、家に行こう。話はそれからね」

 
 

はい、はぐらかされました。

いや、確かにシューシューいってる車をそのままにしておくわけにもいかないので、すぐにディーラーに連絡をして、保険屋さんに連絡して、車に関しては、一件落着させ、2人で自宅に戻りました。


 

本当は、そのまま実家に帰りたい心境だったけど、夫がどんな弁解をするのか、聞いてみたい気持ちもあったので、真実を知るためにも、一度家に戻ることに賛同した。

家に入った私は、心臓をバクバクと大きな音を鳴らしながら、夫と一定の距離を保ちながら、リビングの椅子に座った。

必然的に、夫はパソコンデスクに近い椅子に座り、私と対面する形となった。


 

私の顔色を伺う夫が、嫌でも視界に入る。

夫の姿を視界の中に捉えると、どうしても、さっき目にした画像が脳裏に浮かび上がってくる。考えないようにしようと思っても、脳裏に焼き付いた、その映像は、この短時間の間に、消えて無くなるものでもなく…。

目をつぶって、彼を視界に入れないようとしたところで、まぶたの裏には、例の画像の残像が浮かび上がり、さっきと同様に、胃から酸っぱいものがこみ上げる感覚が再び、レイナを襲いかかった。

 

「大丈夫か?」

 

心配してるふりなのか、何なのか、状況をつかめずにいる夫は、私の顔色を伺いながらも、ただごとならぬ様子に、何か怯えているようにも見えた。

 

「大丈夫じゃないことぐらい、見て分かるでしょ」

 

夫の質問が妙に私をイラつかせ、ついトゲのあるような言い方をしてしまう。

 

「うん、分かるけど、何があったのか、聞かせてほしい」

 

そりゃそうだろうね。
何があったのか、知りたいよね。
あなたは、それを知る権利があるし、私もそれを言う権利がある。
でも、これを言ってしまったら、私たち夫婦は終わってしまう気がした。

 

 

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