3/7 (火)


「晴れ」バンコクは雨を知らないのか?

朝起きてまずサメットへはどうやって行こうかと考える。そうしてカオサンを歩いていると日本人らしい人が座っていたので声をかけ、タイの歩き方を持っているか聞いて見せてもらう。
サメット島へはバスで行ける。そのバスに乗るのにここから別のバスに乗っていく。あの荷物を持ってあちこち歩くのは面倒だなと思う。とにかくその彼と朝食でも食べようかということになって、NAT G.Hの下のレストランへ。前に来た時はそう思わなかったけど、一食40-50Bぐらいしてこんなに高かったか?と思ってしまう。その彼は関学の3回生、法学部ということで関学生に久しぶりに会った。彼はこれからベトナムに行くということで、楽しんできてくれと言って別れた。

そのあとG.Hに戻る途中でツアーオフィスでサメット島往復いくらか聞くと250Bだというので1,000円なら荷物を持ってわざわざバスを探し回らなくてもいいし、ここから行こうと思い決めた。出発は3時だという。今9:00で12:00にはG.Hをチェックアウトしないとなので、昼までの時間で前回行けなかったワット・プラケオでも見ておこうと思いその足で歩いて行く。

ワット・プラケオに行く途中、はじめてここへ来た時と同じ公園の前でやっぱり来ましたよ。歩いているとこの前とは違う別の気の良さそうな兄ちゃんが歩いてきて「今何時ですか?」と聞く、時計を見せてあげると頷いて、「日本から来たのてすか?」と聞き、「すし、富士山、Tokyo」とか言う。きたきた!「 私はチェンマイに住んでいて今日ここにやって来たんです。」と言う。ふんふん、「これからどこに行くのですか?」と聞くので、ワット・プラケオ、と答えると、「今日は休みですよ」と言う。きたきた。オレはすかさず「No! You see, There are a lot of buses around here!!」 と向こうのワットの入口を指差して、そんなはずはないと断言してやった。まあ引っ掛かってあげてもよかったんだけどね。すると彼もサッと身を引いてどこかへ消えてしまった。ここで引っ掛かるんだよね、みんなも! (注: 騙されましたお話の顛末はこの旅始まって二日目の「チャンタブーン」からご覧下さい。)

それからワット・プラケオに着いて入口を入ると、まず係のおばさんがズボンの裾を戻しなさいと言う。そう言えばTシャツに草履履きだった。
まあええか……それからチケットオフィスで125Bだというので500円。高くてびっくりしてやめようかとも思ったけど、ここまで来てそれもどうかと考えて、 えぃ、入ってまえ、と入場券を買った。 さすが観光地とあって人がわんさかいる。こんなにいるのは初めてだし、なんといっても日本人のおばさんと女子大生の山。これ程までいるのか!と思ってため息が出てしまった。彼女らの中でオレなんか浮いて変な日本人に見えるんだろうなあ。

ワットはゲッと思うほど金ピカに飾り立てられていて、 なんかうんざりしてしまった。寺院といっても日本の寺とはえらい違いである。そしてそれをバシャバシャ撮りまくる日本人ギャルやオバタリアン、なんか滑稽に見えてきて、寺院よりもそっちが気になって仕方がなかった。(注:あくまで個人的な偏見です。)

(写真: ワットプラケオ)

(写真: ワットプラケオ正面)


125Bも払ったのにパッパと見てまわり過ぎた。もったいないことをしたかなあと思いながらも、あまり見たくないなら長居しても仕方ないと思い直し進む。するとあっという間に見終わってしまい、1時間見るつもりが30分で見終わってしまった。
それで王宮の前の花壇の所に座ってボーっと兵隊さんを眺めていた。日本人ギャルたちはそこを通る度に変な日本人を見る様な目で過ぎて行った。

昼前に、G.H.に戻り、部屋をチェックアウト。とりあえず旅行代理店に行って荷物を置いといてもらう。ちょうどそこに女の子が 1人いて、聞くとカンボジアに行くという。なかなかやるねえ、立命館大学の子で、2人組の関西大のヤロウが一緒にいて彼らに付いて行くらしい。その2人は後からやってきた。1人は長髪でかっこいいタイプ、 1人はボーっとしていてこの2人の共通点は何?と思うデコボココンビ。ほとんど長髪の兄ちゃんが、1人でしゃべっていた。彼は中国から下ってきたという話で、広州では無差別殺人を見たとか。えらいもの見たなあと思ってその話を聞いていた。 あの広州駅の前のホテル、オレらがパンとか買ったあの辺りらしい。人だかりが出来て、中から手にナイフを持った、目がイッてしまっている血みどろの男が出てきて、その向こうには人が倒れていて辺り一面に血が広がっていたという。ぞっとする。中国の話は最近ろくなことがない。(注:あくまでも個人的な意見です)それで、彼らはG.H.を探していて、彼女の泊まっている所へ行くところだというので、そこに付いて行った。

そこはGreen G.H.というところで、カオサンのメインから少し離れた静かなところにあった。ホテル入口の外がラウンジみたいになっていてイスやテーブルが置いてあり、実にいい感じ。そこに1人日本人が座っていた。オレもそこに座りその人と話す。彼は会社を辞めて、これからインド、ネパールに行くという。うーん、こういう人も多い。それがまた、この旅が初めての海外旅行だそうだ。オレも似たようなものだけど、大丈夫かいなと他人事だけど心配に思う。すると気付けばここが日本人だらけになっていて、同じようにインドに行く人と、ちょうどインドから逃げて帰ってきたという人が座り、4人でずっとそれから3時間近く話すことになった。私も色々話したけど、インドの話などを興味深く聞いたりした。カンボジアに行く関大生2人と女の子はチャイナタウンへ行くと言っていってしまう。

話しながら食べた屋台のタイ風あえ物はうまかった。フエからハノイで会ったあの芸術家カップルに教えてもらって名前はすっかり忘れてたけど、すり鉢ですって作るというあれです。ピーナッツ、魚醤?、酢っぱいのはライムか何か柑橘類?、干しエビ、トウガラシとあと、何かの野菜を細く剃ったもの、これをすり鉢に入れて叩く、できたやつがうまいのなんの。 (注:ソムタム=パパイヤの実をまだ青くて固いうちに短冊に切ってピーナツ和えにして食べる)
トムヤムクンは期待はずれだったけど、こちらはうまかった。

(写真: ソムタム)

それから2時半頃、突然「はっ」として、帰りのシンガポールー関空便のリコンファームをしていなかった事を思い出した。それでそのゲストハウスにあった電話を借りて 大韓航空Bangkok officeへ。名前、日付、便名を告げる。あれ? なんか考えているぞ、名前をもう一度言ってくれ、日付は、便名は? 3回ぐらい言い直した。段々怪しくなってきた。「I'm sorry, I can't find your name···.」 それってどういうことなん!? つい口走った言葉が「What should I do?」どうしたらいいんでしょうか? 向こうも何かを聞きたいみたいなんだけど、言っている事がよく聞き取れないし、3時発のサメット行きのバスの時間もいよいよ迫ってきた。彼女が言うにはシンガポールの方へ直接問い合わせてくれという感じである。どういう事やねん! しっかりしてや H.I.S. !

とにかくReconfirmが出来たのか出来なかったのか、おそらく出来てないまま電話は切られた。また出てきたで。最後の最後にどんでん返しですか? 

とにかく早く行かないとバスに間に合わない。それで彼らに別れを告げて旅行代理店の方へ。代理店に着いて座って待ってても頭の中は帰りのフライトの事が心配で心ここにあらず。それにやけに待たされて3時過ぎに迎えが来てカオサンの裏通りのST. TRAVELという別の代理店へ移動してそこでもまた待たされる。実際バスがそこに置いてあるんだけど今もおじさんが一所懸命修理している。どうなってんねん。時間があるならTELしたいんだけど…と思いつつ待つこと30分。これなら行っておけばよかった…。3:40にやっと出発。

ここからがまた長かった。市内の渋滞のすごいこと、全く遅々として進まない。6時頃ガススタの売店で休憩した後、サメット島行きの船がある港へ着いたのが晩8時を回っていた。

そこでしばらく待つ。ここぞとばかり客引きのおばさんが自分のとこのバンガローに泊まれとうるさい。150Bで泊まれるというので私も1口乗って話を聞いていた。まだ泊まるつもりもないのにいつの間にか決まってしまい、まあいいか、こんな夜中に宿を探すのもイヤだし楽でいいかと決めた。もう1人フランス人かなと思われるオカマ風のお兄さん、両耳に3つづつ、鼻にも1つリングを付けたあまり顔を凝視できない兄ちゃんもそこに泊まることになった。もちろん別々の部屋ですよ。

(注: まだこの時代LGBTの言葉も存在していません。当然理解すらできません。)

そしてやっと船に乗り込んだ。

真暗な中のクルージング、星が綺麗だ。1時間以上揺られただろうか。船が向こうに見える浜辺からだいぶ離れた所で止まった。あれ?どういうことだろうと思っていたら、ここから別の小型のボートに乗りかえるらしい。小さなボートで、まさにニュースで見た難民が乗っているような船にのりこむ。波が高くてボートの中も水浸しである。そして座ってもケツは濡れるし、波に揺られ座っててもバランスが悪くてひっくり返ってしまい、背負っていたバックパックの下半分水浸しに。最低!と思いつつ、5分程のボートクルージングは終わり浜に着く。といっても、砂浜の波間に降り立ち、靴は全部水に浸かってジャブジャブやってやっと陸へ辿り着く。

そこからがまた宿の場所が分からなくて色々聞いてまわった。ホモの兄ちゃん(注:個人的な見解です)と2人暗闇の中を歩くのは気分のいいものではなかった。彼はどう見てもパッカーではなく、ただのリゾートを楽しみに来た旅行者だろう。

丘を越えてキャンドルライトビーチという所へ着いた。渡された紙にはサンティエンビーチリゾートと書いてあったが、どうもここらしい。名前がえええかげんやなあ、とにかく見つかって、そこの受付のおばさんに案内されてやっと自分のバンガローに落ち着いた。ボロさが想像以上に凄くてびっくりしたが、もうそんなのなんでもいいやと思うくらい疲れてたのでシャワーも浴びず、そのままの格好に身体も汗でベトベトだったけど寝た!