2/17(金) 

 晴れ


現在お昼の1:50。今朝あったことを報告しておこう。


8:30 ホテルNAT G.H. (そういう名前だと昨日やっと知った)を出て一路バンコクメール・センター(中央郵便局)へ。60バーツまで値切ったのに、20バーツと50バーツを見間違って90バーツ渡してしまった。バカなオレ…(あとで50バーツ紙幣のないことに気付いてわかった) 。さてEMSの窓口で聞いて奥の机に案内される。そこでパスポートを出してサインを書いて、例の1カラットルビー入り金製ネックレスとリングのセットを手に入れる。そしてこれを大事にカバンに入れて四度目のツーリストポリスへ。


(写真: 1カラットルビー入りゴールドのネックレスとリングのセットの入った箱)

ここで手に入れた荷を見せると、はいはいとわかってくれて、まあしばらくここで待てと言われる。むこうに連絡したりしていたのでしょう。そのうち自分はドイツのサッカーチームのメンバーだと言う男が、2人の美人を引き連れてやってきた。すごい自信のかたまりと甘いルックスの持主、そしてよくしゃべる。女性2人は細くてセクシー。彼らと少しだけ話した。日本ではコカコーラが100円だとか、そんな事を言っていた。そのうち彼らは行ってしまい、オレはまた一人になってしばらく待っていると一昨日受け付けてくれた女性警察官がやってきて、いま車の手配をしていると言う。その彼女が別れ際に言ったことは「自分で彼ら(宝石店の人)を説得すること。そうでなかったらお金は返ってきません。もし本当に返して欲しいなら自分で何とかすること。」と言われた。 オレは「難しいかもしれない。どうか手伝って下さい。」と言って別れた。 


それから2人のポリスと一緒になって駐車している車を動かしたりして(むこうはサイドブレーキをかけていないので押したら勝手に動かせる。)奥からパトカーをひっぱり出し、それに乗り込んでCHANTABOONに向かっていった。



(写真:ツーリストポリスの車両、パトカーというより護送車)

あの行きの車の中はまさに試練の時だった。逃げ出したい気持ち半分、彼らがいるから大丈夫だという気持ち半分。とりあえず彼ら警察がなんとかしてくれるだろうと思いつつ自分でも信じられないくらい冷静になって、ノートにその説得策を書き綴った。 


The reason why I want to cancel

1. Thai Promotion open only 3days a year 

2. Your Company is under the Thai Government

3. I don't have ability to check whether this ruby is expensive or not 

→ So You desieved me and I can't trust your company. 


こう書き綴ってとりあえず言うことが、いや、腹が決ったので安心感が持てた。


そして店についた。 奥に車を止めたあと、3人は最初店に入った時に握手をして説明してくれた あのおじさんの出迎へを受けた。3階の例の作業場の奥にある黒ガラス張りの部屋へ連れていかれ、そこに座って話をすることに。最初ポリスの人も横に一緒に座ってくれて、相手と話をする。すると「50%は返すと言っているがどうだ?」と言う。しかしオレは引かなかった。「 I require all money. 」するとポリスの彼はあとは自分で話しなさい、外で待っているからと出ていってしまった。そこから交渉が始まった。30分は話した。 まず、だましただろうという話。ノートに書いた1.の理由、Thai Promotion の話をすると 彼はそれがWay of Bussinessだと言う。人をだますのが、Way of Bussinessなのか?と言ってやった。 Bussiness is Bussiness. Business is Money. だという。本当にそうか? オレは確かにお金が必要なのはわかる、しかし店を続けていくには客と店との信頼が必要なのではないかといった。 人をだましてどうして信頼することができるのか? すると今度は相手は話を変えて、「店をやりくりするのは難しい。税金を払わないといけないし店員に給料もいる。土地代や光熱費もろもろ、私も家に帰ればお父さんで子供も養っている。タイ人はみんな貧乏だと知っているだろう?」と情に訴えてきた。 ここの儲けも社会福祉に役立てているとも言う。「 それはわかった、でも今、日本の1人の青年をだまして金を取るのと、それと話は別だろう。」とオレ。すると今度は自分が選んで買ったんだろうと言い出す。「ここにペンがある。いいペンなら買うし悪いペンなら買わない。 君はいらないなら買わなければいいんだ」と言った。オレは「たしかにその通り、でも私はこの箱の中に入っているものが、良いものか、悪いものかさえわからない。これが良いもの、価値のあるものなら、買うから。証明してくれ」と言った。すると彼は「これはたしかに本物のルビーだけど価値 は not wellだ」と言った。むこうが自分から認めたんだ!そして話は50%から60%へ。さらに65%、70%、75%と、とうとうここまで来た。日本でのクーリングオフの話をして、日本なら 1週間以内なら100%帰ってくるとか、まだ手をつけていないとか言ったがここまでが限界だという。それで75%つまり14万円(1,400$)×0.75=10万5千円で手を打つことになった。ポリスも部屋に戻ってきた。お金も用意され、結局75%になるのを予想していたのか?お金はすぐ現金で手渡され、サインを書いてその場を離れた。あんまりあと味の良いものではなかったが Bestを尽くしたと思う。一人でもここまで主張できたことは一つの自信につながった。たしかに恐いよ。でもポリスがついているので身の危険だけはない訳だから。結局差額3万5千円の高い授業料を取られた。これなら最初に3万5千円でルビーの指輪を買ってそのままだまされ通して終わっていた方があと味もよかったと思う。だまされたと知るのは帰国後か1年後ということで。 


店を出て、ポリさんと一緒にツーリストポリスまで戻ってもらい。 今はルンピニー公園で日記を書きながらゆっくりしています。考えたらタイに着いてこの3日間全く観光もしてなかったけど、実に刺激的な毎日でした。公園のベンチでのんびりしていると、2人の日本人に会った。1人は今日トレッキングから帰ってきて日本に帰る青年。 1人はプーケット帰りの醜いくらい顔をぼろぼろに焼いた大学生。 


それからそこをあとにして領事館へ連絡して、アベさんにお金が帰ってきた事を告げる。全額でなくてもあのリストにお金を戻した人間が一人でもいることになるだけでも、意味があったかなと思う。


そのあとは狂ったようにバンコクの街を徘徊する。結果的にナンタラ大学を通り、MBK(日本でHEPファイブみたいなところ)とその隣(といっても同じビル)にある東急ストア、それからナショナルスタジアムを通って下町の汚いバイク屋街を通り抜け、そこからホアランポーン駅へ。この時点で体はくたくた。そこからバスの53番に乗って、中華街を通ってワットプラケオを通って、二日前Thai Promotionの1人目の男が声をかけてきた公園のところで降りた。そこから遠目に見えるワットプラケオはライトアップされて綺麗かった。 そこからまた歩く歩く。やっとカオサンに帰ったころはくたくたで、通りでカールスバーグを買ってガブ飲みして汗まみれになって ゲストハウスに着いて、シャワーを浴びて、外の店でチャーハンを食べて、またビールを飲んで、ぼーっとなって帰ってきて寝た。 1人になると何をするともなく、 しゃーない日を送ってしまう….