今日の俺は無性に寿司が食いたくなっていた。

3日前から寿司、特にエビの握りが食べたかったのだが何かと機会に恵まれず、今日こそはと思っていた。

仕事が終わってダッシュで家に帰る。帰宅途中携帯のインターネットで近所の回転寿司屋(がってん寿司)の営業時間を調べると閉店は23時。家に着くのは20時半くらいだからそれから出かけても十分に間に合う。

帰宅して俺の968出動。平日に出動するのはかなり稀なケースだ。途中で郵便局の夜間窓口に寄ってゆうぱっくの荷物を受け取ろうと思いつく。数日前にヤフオクでいろいろなものを購入しており、日中家にいない為不在通知が山ほど溜まっていたからだ。

が、走り出してすぐに異変に気づく。

【勝手に右に曲がっていく】

常にステアリングを左向きにテンションを掛けていないと直進できない。パンクだろうか。足回りだろうか。

そうこうしているうちに郵便局に着いたので降りて見てみると、

イメージ 1パンクだった。

とりあえず荷物を受け取って徐行しながら数百メートル先の自宅まで戻る。その時点で21時。考えた挙句、寿司よりもパンクを優先する事にした。タイヤ交換くらいできなくも無いがスーツを着替えるのも面倒だし、一応、得意の損保ジャパンのロードサービスに電話してみる。ちなみにこのサービス、何度使っても等級には影響無いので安心だ。むしろ使わなかったら損だ。

サービスセンターに電話してパンクの対応もできるかどうか聞いてみると、JAFが来てスペアタイヤに交換するのはサービスでできるとの事。実はこの時電話に出たオペレーターがあまりに要領が悪く、詳細は思い出したくもないので省略するが、とにかくそのような結論に至るまでに既に十数分を要していた。

イメージ 230~40分でJAFが到着するという事なので、その間、引き取ってきた荷物の中にあった964ターボのミニカーから、俺の968仕様のミニカーへカップホイールの移植を試みる。

イメージ 3なかなかホイールが外れず、思いっきり引っ張ったところ、まず元々968に着いていたホイールのスポーク部分を折ってしまう。こっちのホイールは捨てるつもりだったのでまいっか、と思いつつ、新しく着けるカップホイールの方もこれまた固くて結局壊してしまう。

そして僕は途方に暮れているところにJAF登場。

意外に到着が早くて21時45分頃から作業を開始できた。がってん寿司に間に合うかも、というほのかな期待が膨らむ。

ガレージジャッキでは怖いので純正のジャッキで上げたいとの事なのでまずは積んでいた純正ジャッキを渡す。

イメージ 4続いてテンパータイヤを取り出して膨らませる。考えてみたらコンプレッサーを積んでいなかったので出先では自力でスペアタイヤに交換する事はできなかった。純正のコンプレッサーは購入時から無かったが、家の押入れにホームセンターで買ったものがあったので、この際積んでおこうと思って取りに行って戻ると、JAFのお兄さんがおかしな事を言ってきた。

「こっちのジャッキとあっちのジャッキで、形状同じですよね?」

何を言っているのかと。この車にはジャッキが二つあるのかと。そんな馬鹿な事は無いと思ってトランクを覗いてみると・・・

イメージ 5あるし。
どうやらスペアタイヤの中に1つ隠れていたようだ。そして次の瞬間、ある記憶が蘇った。
「そういえばこの車買った時、ジャッキが無いと思ってヤフオクで買った気がする・・・」
そう、しかも結構な値段を出して買っていた。
※欲しい方、購入時の半額でお譲りします。

イメージ 6実車の方はホイールを破壊する事無く交換完了。ちなみにスペアタイヤの空気圧は他のタイヤと同じ2.5bar、ホイールナットの締め付けトルクは13Nmなのでそのくらいは暗記しておいた方が良いだろう。

費用は深夜基本料金\8,000と作業費\1,600の合計\9,600だが、立て替えておいて後で損保ジャパンから振り込まれる仕組みだ。ひと通りの手続きがやっと終わって22時15分。なんとかがってん寿司に間に合う時刻だ。

イメージ 7ダッシュでがってん寿司へ。すると入り口で店員が出迎える。
「すいません、ラストオーダーなんで」
よしわかった、とばかりに店に入ろうとすると、
「すいません、10時半でラストオーダーなんです」
「いやいや、わかったって。ラストオーダーするから」
「申し訳ございません」
「いや、今ちょうど10時半じゃないの?」
腕時計を見るとちょうど22時半を指していた。数日前に合わせたばかりなので正確なはずだ。が、店内の時計に目をやると、22時35分あたりを指している。

はっきり言って俺は、飲食店等で強気に文句を言うやつが大嫌いだ。同じ大人、同じ社会人なのに、たまたま店員と客という出会いをしただけで、なぜそれほどに横柄になれるのか。常々そう思っていた。しかしながら、3日前から寿司が食べたかった事、本当はもっと早く来られるはずだった事、中古タイヤを買った事でパンクを引き起こした事(まだ原因は判明していないが)、JAFの人に「俺今日がってん寿司行きたいんで」と言って急がせた事などが走馬灯のように掛け巡り、俺はこんな言葉を発していた。

「こっちの時計はまだ10時半なんだけど!」
「1分でも遅れたらダメなんすか!入れないんすか!」

結局入れてもらえる事になったが、他の客はすぐ帰ってしまい、回転しているベルトコンベアーには何も流れていなかった。

さっきの店員は片付けをしているので、カウンターには店長らしき人と二人きりだ。

座ると同時にエビ3皿と甘エビとネギトロを注文しソッコーで平らげたが、寿司の味なんてするはずもなく、
「ごゆっくりどうぞ」
の言葉も嫌味にしか聞こえなかった。

※念のため言っておきますががってん寿司はおいしくてサービスも悪くないです。